「シヴァ」神話における設定
シヴァはインド神話の中の最高神のうちの1人です。
妻パールヴァティーとその妻が自身の身体の垢を集めて命を吹き込んだ美しい人形から生まれた息子ガネーシャを持ちます。
破壊を司る破壊神シヴァとして有名で、「シヴァから放たれた1本の矢は都市を3つ破壊する」、「本気で怒るとシヴァの業火が世界中を焼き尽くす」などその強さをあらわすエピソードもあるほどです。
その反面で病を治す力も持っており、慈悲深い二面性を併せ持った神でもあります。そのせいか、神話では暴風雨の神ルドラと同一視されています。また、ヒンドゥー理論の中の1つにおいては、ブラフマー、ヴィシュヌとともに3柱の重要な神のうちの1人に位置づけられています。
「シヴァ」漫画における設定
かつてインド神界は多くの神が存在する乱世で、その中の最高神を決める戦いにおいて見事最後まで勝ち抜き、1,117神という数多くの神がいたインド神界の頂点に君臨したのがシヴァです。
戦いが始まる前のシヴァは田舎者の無名の神で、最高の戦友で親友でもあるルドラと共に強くなっていきました。漫画の中では4本の腕と三つ目を持ち、薄紫の肌色に黄色のターバンとゆるいパンツスタイル、上半身は裸で神と人間の戦いであるラグナロクに神側として第五回戦にて参戦します。
人間側の対戦相手である雷電為右衛門との戦いで登場し、踊り好きであることも影響してか戦いの中で身体に炎をまとい、リズムダンスに攻撃をのせる独特な技で戦いを繰り広げます。
「シヴァ」強さ・能力ポイント①
【独特なリズムのダンスにのせて戦う予測不能な攻撃】
シヴァから繰り出される攻撃はその独特なリズムと舞から、予測は不可能です。その独特な舞で相手を翻弄し、徐々に相手のダメージを蓄積していきます。また、踊れば踊るほどに舞はヒートアップし、攻撃力が増していくことも大きなポイントです。
「輪廻舞踊(ターンタヴァ)」
「輪廻舞踊・廃人(ターンタヴァ・カルマ)」
「虎爪炎舞(クリッティヴァーサス)」
「大切炎舞(デーヴァローカ)」
など多くの必殺技を雷電為右衛門との戦いにおいて繰り出しています。雷電為右衛門もシヴァのこの攻撃には苦戦を強いられており、美しいダンスとは反対に考えられないほどの威力を発揮するシヴァの踊りからは目が離せません。
「シヴァ」強さ・能力ポイント②
【インド神界の頂点に君臨、ルドラへの想い】
シヴァは過去にインドで自身も含めて1,117神ある神界の頂点を決める戦いに参加し、見事勝ち抜いています。その際に最後まで残ったのが、親友ルドラです。
暴風雨の神として有名なルドラは「印度神界の天辺に立つ」という気持ちを持っていました。ルドラとの戦いで仲の良かったルドラを倒すことが出来ず、負けを宣言しようとした瞬間にルドラが負けを認めます。
手を抜いてしまった自分を恥ずかしく思い、ルドラと拳を合わせたことによってルドラの模様と天辺を託されます。
そのインド神界における1,116神の想いがシヴァには宿っているため、雷電為右衛門との戦いでも絶対に負けられないと熱い気持ちで戦いに挑んでいます。
「シヴァ」の武器・神器 特徴①
インド神話の中でのシヴァはトリシューラと呼ばれる三叉戟を武器として持っています。しかし、漫画「終末のワルキューレ」における雷電為右衛門との戦いでは自らの身体一つで武器を持たず、素手で戦っています。インド神界での戦いで鍛え抜かれた身体は美しい筋肉に纏まれており、独特なダンスに攻撃をのせて、そして時には身体に炎を纏い、相手にダメージを与えます。
自らの身体を燃やして繰り出す必殺技「輪廻舞踊(ターンタヴァ)」、そして限界まで身体を燃焼させる最終奥義の「輪廻舞踊・廃人(ターンタヴァ・カルマ)」、他にも「虎爪炎舞(クリッティヴァーサス)」や「大切炎舞(デーヴァローカ)」など独特な舞を踊る美しい技を持っています。
「シヴァ」の武器・神器 特徴②
シヴァの特徴として三つ目が挙げられます。
シヴァの額に存在する第三の目には欲望を焼いて灰にしてしまう炎を放射する能力があります。
雷電為右衛門と戦いにおいては第三の目が活躍する場面はありませんでしたが、漫画の中で第三の目が
左右に動く描写もあるため、視力としては機能しているようです。
また、インド神話においてはトリシューラと呼ばれる三叉戟を武器として持っています。トリシューラのトリはヒンドゥー語で「3」を表し、シューラは「槍」を表しており、行動と知恵、そして欲望を意味すると言われていますが、残念ながらこちらも漫画には登場することはありませんでした。
最後に一番注目を集める薄紫色の身体。こちらについても漫画では触れられていませんが、世界を滅ぼすほどの毒をシヴァが飲み込んだからと言われています。
「シヴァ」の技・能力 特徴①
シヴァの必殺技は踊りを中心としているため、似たような技が多く出てきます。
その中でも特に注目したい技が必殺奥義として登場する「輪廻武踊灰燼(ターンダヴァ・カルマ)」です。心拍数を上げるために直接心臓に刺激を与える技で、これにより強制的に極限まで身体を燃やして踊ることが可能となります。
ただ、この技には大きな代償が伴います。筋肉をも瞬時に燃やし尽くしてしまうほどとてつもなく強い力を発揮出来る代償として、強制的に心臓に刺激を与えているため、シヴァ自身の命も削られていきます。
自分の身体をも燃やしてしまうほどの炎を纏っているため、時間が経てば経つほど、シヴァには不利のなってしまう言わば最終奥義ともいえる技です。
「シヴァ」の技・能力 特徴②
4本の腕を自由自在に操って戦うシヴァですが、足技も登場します。
それが、「虎爪炎舞(クリッティヴァーサス)」です。「輪廻舞踊(ターンダヴァ)」と同様にシヴァの身体を燃やして戦うところまでは同じなのですが、その炎を脚に纏うことにより、強力な一撃を生み出します。雷電為右衛門との戦いにおいては炎を脚に纏い、空中に高くとび上がり、そこから踵落としを繰り出すことで雷電為右衛門に強烈なダメージを食らわせています。
「虎爪炎舞(クリッティヴァーサス)」によって受けた傷口からは血が吹きだしますが、シヴァの纏っている炎は超高熱で簡単に消すことが出来ないため、相手の身体を燃やし続けます。そのため、瞬時に血は止まり、想像を絶する痛みを伴います。
「雷電為右衛門」との戦いと結末(ネタバレ注意)
結論から言うと、雷電為右衛門との戦いにシヴァは勝利することになります。しかしながら、どちらが勝ってもおかしくないほどの接戦であったと言えます。相手の人間代表である雷電為右衛門は元力士であり、異常発達した筋肉が最大の武器でした。
そのため、シヴァと同様に武器を使わず自身の身体のみで戦うスタイルでどちらも接近戦を得意としていたことから、純粋な力だけではなく、身体に超高熱の炎を纏えるシヴァに少し部があったのかもしれません。
最終的に勝利したシヴァでしたが、雷電為右衛門の猛攻により、戦いの最中に右腕2本を失うという大きな代償を支払い、その上で自身の命を燃やす最終奥義「輪廻武踊灰燼(ターンダヴァ・カルマ)」も繰り出しています。
「シヴァ」の名言
「踊ろうぜ…燃え尽きるまで」
シヴァが雷電為右衛門との戦いで右腕2本を失い、追いつめられた時に放った言葉です。そして、自分の命を燃やして戦う最終奥義「輪廻武踊灰燼(ターンダヴァ・カルマ)」を繰り出しています。
「オレこそ感謝するぜ 人間」
シヴァの苛烈な攻撃を受け続けても決して膝をつかなかった雷電為右衛門。そんな雷電為右衛門との戦いに勝利した後に発したセリフです。「大した漢だぜ」と雷電為右衛門の強さを認め、回し蹴りで雷電為右衛門の首を落として勝利を勝ち取りました。
「シヴァ」の魅力
鍛え抜かれた筋肉を纏う美しい肉体と素手で真っ向勝負をする男らしさが最大の魅力です。
その肉体を最大限にいかして、戦いではキレのある踊りを披露しています。また、仲間思いな一面に惹かれる読者も多いのではないでしょうか。インド界で親友であったルドラとのシーンが描かれている場面では、インド神頂点に立つことよりも親友のルドラのことを優先しようとしたり、雷電為右衛門との戦いにおいて、最初は舐めてかかっていた人間に対しても、戦いを通じて雷電為右衛門の強さを認めています。
ラグナロクの戦いにおいて神側には、人間に対して嫌悪しか持たない神もいる中で、シヴァのこの真っすぐで純粋な性格に魅力を感じている方も多いと思います。
終末のワルキューレの注目ポイント
神代表と人間代表が戦うラグナロクの中で神と人間の混血であるブリュンヒルデを始めとする戦乙女(ワルキューレ)と人間の繋がりが大好きです。その人間に合ったそれぞれのワルキューレが登場し、人間が神々との戦いに負けてしまうとワルキューレも消滅してします。それでも人間を守るために自らの姿を人間の武器へと変えてまで支える行動には圧巻です。
シヴァの登場シーンでも雷電為右衛門の異常に発達した筋肉を最大限まで引き出せるようにワルキューレとしてニブルヘルが登場しており、シヴァに敗北したことによって雷電為右衛門と共に消えていく姿に涙が止まりませんでした。人間はワルキューレに感謝し、ワルキューレもまた共に戦ってくれた人間に感謝する。この関係がとても素晴らしいです。