成り上がりのファンタジー漫画「月が導く異世界道中」1巻ネタバレ

月が導く異世界道中
1巻 2巻      

主人公・深澄真はごく普通の高校生……だったはずが、両親の都合で異世界へと召喚されることに。しかもその世界の唯一神である女神に「顔が不細工」と罵られ、問答無用で最果ての荒野に飛ばされてしまう。人の温もりを求めて荒野を彷徨う真だが、出会うのはなぜか人外ばかり。ようやく仲間にした美女ふたりも、元竜に元巨大蜘蛛というクセ者ぞろい(でもめちゃめちゃ強いんです)。とことん不運、されどチートな真の異世界珍道中のゆくえは――!? 薄幸系男子の異世界ファンタジー、待望のコミカライズ!

アルファポリス

1巻ネタバレ

◆異世界転生の勇者様、まさかのいきなり失格!?

深澄 真は17歳の男子高校生。顔は普通だけど、弓道部の副部長として部活に励む活発な一面もあった。ある日、真が家でゴロゴロしていると、いきなり勇者として異世界に誘われる。

召喚したのはある世界の女神。この女神様は神族たちの中でもかなりの問題児らしく、ワガママで美意識だけが強いクセモノだった。日本神話の神・月読は真を心配して自分の力を分け与え、真の境遇についても詳しく説明してくれた。
真の両親は真に何も教えていなかったが、実は元々異世界の人間。真が勇者として選ばれたのも、何と真の両親と女神との契約によるものだった。この契約では二度と元の世界に戻れなくなるので、真はショックを受ける。

しかし自分が行かなければ、代わりに自分の姉・雪子か、妹の真理が契約で異世界へ召喚されてしまう…。仕方なく、真は運命を受け入れ、月読の気遣いに感謝して召喚の場へと臨んだ。


ところが、女神は真の顔を見た瞬間、「ブサイク、まじ無理キモイ」と低評価で言いたい放題。さっさと別の勇者候補を二人も召喚して、自分が愛する美しい人型の種族ヒューマンだけを守るよう役割を与えていた。そうなると真は…もう役立たずのお払い箱。ワガママで気まぐれな女神は真を「世界の果て」に飛ばし、絶対にヒューマンとは関わらずに生きろと命令した。
真は言い分を全く聞いてもらえず、あっという間に大地に放り出されて急降下!もう死ぬのか!?と焦る真を救ってくれたのは…またしても月読だった。月読は真がこの世界でなら超人クラスの力を持っていることを告げ、「自由に生きろ」と励まし、しばしの眠りにつく。

その直後、真は真っ逆さまに落下して大地に激突するが…本当に無傷だった。真は月読の言葉を思い出し、空を仰いで力強く「はい!」と頷いた。

◆エマさんとの出会い、能力の目覚め

真が飛ばされた「世界の果て」は、何もない不毛の荒野で、昼間はギラギラと熱く、夜はめちゃくちゃ寒いという悪条件の土地。当然、女神お気に入りのヒューマンは住んでおらず、獣の姿すら見当たらない…。真は3日間も荒野をさまよい、孤独感に打ちのめされてションボリ。


だからこそ、遥か遠くから聞こえてきた「タスケテ…」というわずかな声を聞き逃さなかった!真は思わず目をキラキラ輝かせ、声のする方へジャンプ!

そこにいたのは…可愛らしい豚のようなハイランドオークの女の子と、今にも襲いかかろうという臨戦態勢の双頭の犬のような魔物。真はとりあえず誰かに会えた喜びだけが勝り、張り切って双頭の魔物にキックをかます。


しかし自分の力は思っていた以上に強かったようで…双頭の犬はちょっとグロいお姿で即死。真は自分自身にドン引きしながらも、何とかエマと話をしようとする。エマも最初だけは強すぎる真に怯えていたが、真の優しい態度に心を許し、この世界のことや自分の境遇などを色々と語ってくれた。

エマは神山に近い村の出身で、その神山には「蜃さま」という上位竜が住んでいた。しかしここ数年、何故か蜃さまの怒りを買ってしまったようで、半年に一度、村から生贄を差し出して怒りを鎮めてもらう…という悲劇が繰り返されていたという。そして今回はこのエマがその生贄。真はエマを救う為、ひとまず行動を共にする。

エマはもうとっくに覚悟を決めている様子で、健気に明るく微笑み、得意の魔法などを真に分かりやすく教えてくれた。真は軽い気持ちでその魔法を使い始めるが、何をやっても面白いほど成功。この力があれば、蜃とやらに勝てる!そう判断した真は、無謀にも蜃さまが支配する神山へ、たった一人で乗り込んで行った。

◆強大な龍を相手に大乱闘、真の新たな世界が爆誕!!

真は覚えたての魔法をあっという間に使いこなして絶好調!前世で得意だった弓道の技も融合して、神山の門を撃破する。それはちょっとした練習のつもりだったが、そこに潜んでいた魔族達をうっかり倒してしまった。実はこの魔族達はハイランドオークを傘下に加える為、蜃の名を騙って弱体化させようとしていたのだ。

思わぬ形でハイランドオークの敵を倒すことができたものの、領地の門を破壊された蜃は…やはり大激怒!!巨大な姿を現し、目くらましの霧を漂わせて問答無用で真に襲いかかってきた。真は何とかその攻撃を交わし、月読に与えられた力を器用に使いこなして応戦する。思わぬ反撃を受けた蜃は、真を幻想の結界に閉じ込めるという秘技を繰り出す。
それは真の願望が叶う夢のような世界で、真は可愛い後輩に告白されるシーンを体験していた。しかし真は自分自身でそれが幻想だと気づき、蜃の作り出した幻想の結界を中から打ち破る。


蜃は真の記憶や願望を優雅に見物するつもりだったが…その魅力的な世界観や情報量に思わずハマってしまって大感激。怒りをたぎらせて出てきた真を前に、あっという間に降参する。

蜃はガラッと性格が変わり、真を「真殿」と呼んで尊敬。お互いの能力と知識を活かす為に「契約」しようと提案する。真は言われるがまま蜃と契約するが、真の力は強過ぎて蜃を圧倒。対等な契約では無く、実質、蜃が真の主になる主従契約となった。
蜃はこれもまた楽しそうだとワクワクした様子で、契約に基づき、主の姿に合わせて変身。艶やかな和風美女の姿となって、新たな主・真に「よろしく」と挨拶をした。


この契約により、蜃が支配する霧の向こうの空間「亜空」に大きな変化が起きる。そこは本来、何も見えない闇の空間だったのに、真との契約で一気に自然豊かな土地へと変貌していた。真と蜃の許可が無ければ入れない場所なので、外敵の心配も不要。まさにそれは、荒野に現れた理想の蜃気楼都市。蜃の提案で、ハイランドオーク達が早速この亜空に引っ越すことになった。

◆巨大な黒蜘蛛に襲われてまたまた大ピンチ…だけどっ!?

そして数日後。真は月読から与えられた力を「界」と名付け、その向上と研究に励んでいた。蜃は真にベッタリで、真の記憶の中からお気に入りの時代劇を鑑賞してご満悦。ハイランドオーク達も新たな村で平和な暮らしを手に入れ、活き活きと過ごしていた。


しかしそこに突然、来るはずのない外敵が襲いかかってくる。その名は「災害の黒蜘蛛」。古来から存在する厄介な魔物で、いつも空腹に飢えて周囲の物や人を何でも食い尽くしてしまうらしい。

真は慌てて応戦し、炎の魔法と身体強化を咄嗟に組み合わせて黒蜘蛛を攻撃。炎の槍が見事に黒雲に命中する。
ところがこの黒蜘蛛はその魔力をも美味しそうに吸収して、何故か「ヒャハッ!アハッ!」とヤバい奇声を上げて大興奮。ついには蜃を追い詰めて血を吸いつくそうとするが…そこで真もさすがにプチッとタガが外れて、抑えていた魔力を大解放する。
蜃が助けに入る間もなく、真は一瞬でかなり高度な魔法を組み上げ、黒蜘蛛に凄まじい炎の連打と矢を喰らわせて撃破した。


一気に力を使い果たした真は、そのまま気絶。先に黒蜘蛛の方が目覚めて、「あなた最高!美味しい!」と真を抱きしめてまた大興奮する。
どうやらかなりの魔力を食らって、空腹は満たされた様子。
蜃はそんな黒蜘蛛に、自分と同じように真と契約することを提案。黒蜘蛛はよほど真の魔力の味を気に入っていたようで、その提案を受け入れて真の許可も無く勝手に契約してしまった。


そして真が目覚めると…目の前には黒髪のおしとやかな美女が。「これからずっと身も心も捧げます」と挨拶してほほ笑む美女の正体は…もちろん、勝手に契約した黒蜘蛛。眠り込んでいた真は何も分からず、誰!?と驚くしかなかった…。

感想

いきなりの勇者失格から、新世界のリーダーへと急成長!!怒涛の展開にワクワクが止まりません。
ぶっつけ本番でも、見事に力を使いこなしていく真のカッコよさ、誰かを守ろうという気持ち…。まさにこれぞ勇者そのものです!!
女神様がナンボのもんじゃい!見た目だけで判断して、もったいないことをしましたね。
そしてカリスマ勇者には、自然と仲間が加わって行くのも王道です。真にも、早くも二人の頼もしすぎる美女と、たくさんのオーク達という仲間ができました。こんな美女達に囲まれちゃって、確実にモテ期フラグ来てますよね~うらやましっ!!