今や世界的人気を誇る「ドラえもん」ですが、闇に葬られた「黒歴史」があります。今回は2つほどドラえもんの黒歴史をご紹介していきたいと思います。
ドラえもんの恐ろしい職業
現在のドラえもんの職業は公式で「子守ロボット」となっています。
しかし、1970年発売の「ドラえもん百貨」では、ドラえもんの職業は恐ろしい名称で紹介されています。
それは・・・
特定意思薄弱児童監視指導員
つまり自分の意思がない現代っ子、何がしたいかわからない、何もしたくない、気弱で内気な子供たちに対して根性を叩きなおす、というのがドラえもんの職業と紹介されていたのです。
この設定については、当時の藤子・F・不二雄氏のアシスタントが勝手に考えた設定との事。ただし藤子が監修している公式本である「ドラえもん百貨」に記載されているため「準公式扱い」とも言えます。
ドラえもんの声優に関する黒歴史
現在、ドラえもんの声優を務めるのは水田わさびさんですが、
1979年放送開始時から水田さんに担当が変わるまで、大山のぶ代さんが長きにわたりドラえもんの声優を務めておりました。
あまりにも大山のぶ代さんの声が根付いていたため、水田さんに担当が変わった時には大きな話題を呼びました。
しかしその2名以外にも、実は1979年以前に存在したドラえもんがいたのです・・
それは再放送すら禁止されているという1973年に日テレで制作されたドラえもんでした。
現在はテレビ朝日が制作を行っていますが、ドラえもんのストーリは大抵にして「何か問題があった時にドラえもんのアイテムで問題を解決する」というストーリーが主流になっています。
しかし1973年に制作されたドラえもんの内容は
「ダメな少年」と「ダメなロボット」がひたすらドタバタする、という内容でした・・・
しかも声優を決定するにあたり、当時の制作のドラえもんに対するイメージは「世話好きのオジサン」というイメージだったらしく、そこで起用されたのが声優さんは「富田耕生」さんでした。
富田耕生さんといえば、「名探偵コナン」に登場する鈴木 園子の祖父・鈴木次郎吉の声優や洋画の吹き替えの声を担当する渋い声の持ち主です。現在のドラえもんのイメージとはかけ離れたものではないでしょうか。
結局、その渋い声はドラえもんのコンセプトと合わず視聴率も伸びなかったため声優が変更されました。そこで起用されたのが、悟空の声で有名なあの野沢雅子さんでした。
短期間でメインキャラクターの声優が変更になることは通常あり得ない事ではありましたが、実際に行われたのです。
しかし結局視聴率は伸び悩み、全26話で打ち切りとなりました。ちなみに打ち切り直後に制作会社の社長が失踪してしまったという話です。
またこの時放送されたドラえもんでは、ジャイアンの母親が亡くなっていたり、未来から鳥型ロボットが登場したりと、原作にはない妙なオリジナルの設定が追加されていました。
これに対し、原作者である藤子・F・不二雄氏は、
「アレは失敗だった」
「二度と再放送しないでくれ」
とコメントした程。
もし藤子・F・不二雄先生がこのままこの設定を認めていたら、今の世界的人気を誇るドラえもんは存在していなかったのかもしれません・・・