桂正和の代表作「電影少女」あらすじ・作品紹介

最終更新日:2020-02-11

作品概要

電影少女は漫画家、桂正和の代表作品。週刊少年ジャンプにて1989年から1992年まで連載。ジャンプコミックス全15巻。1991年実写映画化・ラジオドラマ化、1992年OVA化、2018年テレビドラマ化と様々なメディアリミックスがされている。

登場人物紹介

弄内 洋太(もてうち ようた) 

私立高校一年生。純粋な性格だが、女の子にモテたい一心で数々のファッション雑誌の情報を鵜呑みにして、逆にモテなくなってしまうほど恋愛経験はない。クラスメイトからは、「もてうちようた」をもじって「モテナイヨータ」とからかわれる。同級生の早川もえみに片思いしている。ひょんなことからビデオガールの天野あいと出会い、生活を共にしていく中で、あいに対して特別な感情を抱く。

天野あい(あまのあい)

洋太がレンタルビデオ店GOKURAKUから借りてきたビデオを再生したところ、実体化し、洋太の前に現れる。しかし、デッキが壊れていたため、本来のあいとは違う、胸も小さい、がさつで男っぽい、料理のヘタなあいが現れてしまう。洋太を応援して一緒に生活していくが、その中でビデオガールが持つことのない「人を愛する気持ち」が芽生えてしまう。ビデオガールとしての、自らの運命と洋太への思いの葛藤を抱きながら物語は進む。

早川 もえみ(はやかわ もえみ)

陽太の同級生で片思いの相手。見た目もかわいく、スタイルもよく、学校でも注目の的である。もえみ自身は洋太の親友である、新舞貴志に恋をしている。新舞と付き合うことになるが、とある事件をきっかけに別れることに。 その後は洋太と付き合うようになるが…。

新舞 貴志(にいまい たかし)

陽太の親友。見た目の良さとクールな印象、友人とやっているバンドではベースを担当するなど、洋太と正反対のイケメン要素が多く、女子生徒からも人気が高い。しかし、新舞自身はあまり女性にたいして興味のないようなそぶりがある。もえみと付き合った当初は彼女に対して恋愛感情はなく、付き合っていく中で彼女を意識し始める。

仁崎 伸子(にざき のぶこ)

陽太の後輩。中学時代に用途とともに美術部にいたことで、その時から思いを寄せる。留年した洋太と入学した信子が同じクラスになる。明るくポジティブな信子は洋太に告白し、付き合うことになるが、あいの存在を気にかけていた洋太のせいで二人の関係はうまくいかなくなる。


あらすじ

イマイチぱっとしない弄内洋太は同級生の早川もえみに恋をしていた。しかし、彼女が親友の新舞貴志に恋心を抱いていると知ってしまう。

失恋した洋太は一人家路につく。そんな洋太の目の前に、レンタルビデオショップGOKURAKUが現れる。純粋な気持ちを持つ人の前にしか現れないという店。そこではビデオの中の女の子が傷ついた気持ちを慰めてくれるビデオガールというものをレンタルしていた。

洋太は「天野あい」というビデオを選び家で再生する。すると、デッキから女の子が洋太の前に飛び出した。あいはビデオガールの使命である、「傷ついた人を癒す」ため洋太とともに生活をともにする。

そんな中であいは洋太に特別な感情を抱く。しかしそれは、ビデオガールが持ってはいけないものだった。

互いに惹かれ合う二人だったが、ビデオガールを作った男ローレックによってあいは回収されてしまうのだった。

それから数か月、洋太は留年してしまいもう一度一年生をやることに、中学の頃の美術部の後輩であり洋太に好意を寄せている信子がやってくる。

それと同時に、記憶を失った天野あいも同じクラスへやってくる。

なぜ、あいが戻ってこれたのか?

洋太をとりまく信子・あい・もえみの恋愛模様はどうなっていくのか…。

見どころ

電影少女のみどころは大きく3つある。

一つは思春期特有の甘酸っぱい恋愛模様だ。主人公の洋太をはじめ、登場人物の多くが自分の気持ちを素直に伝えられず、見ている読者は歯痒い気持ちになると思う。しかし、そこが恋愛漫画の醍醐味でもあるだろう。

もう一つは、作品を彩るかわいい女の子たちだ。それぞれが良さを持ち、タイプが違うので、読んでいる中で読者も主人公になったように、女の子たちにときめいていくだろう。そして、少年誌のラブコメには欠かせないお色気要素が盛り込まれているが、決してエロ過ぎず、そこがまた10代のころに抱いたドキドキ感をよみがえらせてくれる。

そして、最後は本作特有のSF要素だ。ビデオから出てきた女の子と恋をするというストーリーは、この作品の幅を広げ期待感につながるところだ。

感想

この作品を読み進めると、それぞれのキャラクターの心情や情景をリアルに表現していて、10代の甘く切ない恋愛模様をこれでもかと描かれているのがわかる。

連載当時に読んでいる人はこんな恋愛に憧れ、年齢を重ねてから読んだ人は青春時代を思い出し長良読むのだろう。

ビデオガールの天野あいをよくあるヒロイン像の「おしとやか」で「家庭的」それでいて「スタイルがいい」キャラクターにしなかったのも大きいと思う。

もちろん、もえみという対比がいるから成立する部分ではあるが、ビデオガール特有の「傷ついた人を応援する」という目的とあいのキャラクターが一致して、恋愛だけでなはく、ある種の友情も感じる部分がある。これがもえみのようなキャラクターだったら成立しなかっただろう。

そんな天野あいに惹かれた読者は多いと思う。週刊少年ジャンプで連載されたラブコメ漫画において、この作品は上位にくること間違いないだろう。