「魔法騎士レイアース」CLAMPによる美しい作画が魅力の異世界マンガの先駆け!

魔法騎士レイアース ~概要~

漫画「魔法騎士レイアース」はCLAMPによるファンタジー少女漫画。1993~1995年になかよしにて連載。全3巻。続編に「魔法騎士レイアース2」があり、同じくなかよしにて1995~1996年に連載し、こちらも全3巻。1994年にテレビアニメ化、1997年にOVされた。

魔法騎士レイアース ~登場人物紹介~

獅堂 光(しどう ひかる)

身長144㎝、獅子座にO型。本作の主人公の一人で、中学二年生。真っ赤な1本のおさげ髪と、凛々しい顔つきが特徴。実家は剣道の道場で、幼い頃より習っているため剣道が得意。明るく元気いっぱいでややボーイッシュ、まっすぐで強い心の持ち主である。

東京タワーより異世界セフィーロに召喚され、魔法騎士の一人として戦うこととなる。炎の魔法を授けられ、炎の魔神レイアースを操る。テーマカラーは赤、武器は剣。

龍咲 海(りゅうざき うみ)

身長158㎝、魚座のA型。本作の主人公の一人で、中学二年生。青くまっすぐなストレートヘアに、切れ長の瞳が印象的な美少女。感情的で、思ったことをすぐ口に出すまっすぐな性格だが、非常に仲間思いである。フェンシング部所属。

光たちとともに東京タワーより異世界セフィーロに召喚され、魔法騎士の一人として戦うことになる。水の魔法を授けられ、水の魔神セレスを操る。テーマカラーは青。武器は細みの剣。

鳳凰寺 風(ほうおうじ ふう)

身長156㎝、射手座のA型。本作の主人公の一人で、中学二年生。薄い金色(アニメでは茶色)のウェーブボブで、眼鏡をかけている。いつもおっとりとした様子のお嬢様口調で話し、笑顔を絶やさないが、非常に頭の回転が速い。弓道部所属。

光・海とともに東京タワーから異世界セフィーロに召喚され、魔法騎士の一人として戦うことになる。3人の中で唯一の防御・回復系担当で、風の魔法を授けられ、風の魔神ウィンダムを操る。テーマカラーは緑、武器は弓。

魔法騎士レイアース ~あらすじ~

光、海、風は、都内でそれぞれ別の中学に通う2年生。

偶然社会科見学で訪れた東京タワーで出会い、不思議な少女の呼びかけによって、異世界セフィーロに召喚されてしまった。そこで出会った導師クレフにより導かれ、魔法騎士(マジックナイト)としてセフィーロを救う旅に出ることになる。

彼女たちを召喚した不思議な少女はエメロード姫といい、セフィーロは、世界を支える「柱」と呼ばれる存在であるエメロード姫によって平和が保たれていたのだが、神官ザガートによってエメロード姫が捕らわれてしまったため、魔物がはびこる荒廃した危険な世界となってしまっていた。

ザガートを倒してエメロード姫を救うことができるのは、異世界からやってきた魔法騎士だけ。そしてその魔法騎士が、伝説の鉱物エスクードでできた武器を手に入れ、各地の神殿に眠っている魔神を蘇らせるよりほかにないという。

エメロード姫を救って欲しいとの人々の願いを背負い、3人はそれぞれの得意武器(剣、弓)や魔法を使うことにより冒険を進めていく。各地で創師プレセア、剣士フェリオや謎の生物モコナなどとの出会いを経て、少しずつ成長していく3人。

やがて、それぞれ炎の魔神レイアース、水の魔神セレス、風の魔神ウィンダムを手に入れ、いよいよ神官ザガートと対決する。必死の戦いの末、神官ザガートを倒しエメロード姫を助け出した3人だが、なんとエメロード姫が3人に襲い掛かってきた。

柱制度の秘密、ザガートとエメロード姫の真意、セフィーロの真実を知った3人は…。

魔法騎士レイアース ~見どころ~

なんといっても、CLAMPによる美しい作画が見どころです。当時少女漫画は恋愛ものが中心であり、このような本格ファンタジーは珍しい部類でした。セフィーロに召喚された後の魔法騎士たちの衣装や、魔法、魔神の迫力は圧巻です。

また、ストーリーの上でも、単純な勧善懲悪、いわゆる勇者が悪を倒すといった構図ではなく、それぞれの背景や思惑、切ない気持ちなどがしっかりと描かれていて、感情の機微を重視する少女漫画としても優秀であるといえます。

当時の漫画において、戦う少女たちといえばセーラームーンが一気に有名になりましたが、「魔法騎士レイアース」もまた、非常に人気を博した代表作品の一角であるのは間違いありません。単純なハッピーエンドにならない点も、話題になりました。

魔法騎士レイアース ~感想~

CLAMPの作品は当時友人の間で流行っていたので、友人から借りて漫画を読みました。

ファンタジーが大好きな私にとっては、非常に夢中になれる要素が満載でした。異世界への召喚、魔法、姫、などは今では使い古された表現であるかもしれませんが、その草分け的存在としてこの漫画はおすすめせざるをえません。

ただ魔法自体の種類が少なかったため、戦闘描写はやや単調になりがちで、その点は少年漫画に比べるとやはり見劣りしてしまうかもしれません。

CLAMPは作画、とくにカラーが美しかったので、アニメよりは原作が好きです。

最終回を読み終わったときの何とも言えない感覚は今でもよく覚えています。続編で救われたとはいえ、あの終わり方は当時の読者の間で相当話題になっていたのではないでしょうか。