因縁の相手との対決が!?「精霊幻想記」2巻ネタバレ

精霊幻想記
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1巻では、
ベルトラム王国のスラム街で育った孤児の少年・リオは、7歳の時にとつぜん前世での記憶が蘇る。以来、リオの中では前世の日本人・天川春人としての意識も混在することに。
さらに追い討ちをかけるかのように、リオは第2王女誘拐事件に巻き込まれ、真犯人に襲われたり、冤罪で拷問を受けたり…と散々な目に遭う。
しかしリオがピンチに陥ると、前世からの記憶や因縁が不思議な力となって現れ、リオに魔力を操って戦う術を与えてくれた。
そのおかげで、リオは王女を救出した恩人として王都に迎えられ、褒賞として王立学院での新生活を与えられた。

2巻ネタバレ

◆メキメキ成長していくリオ…女子はドキドキ、男子はイライラ!?

リオは魔力を持っているのに、何故か魔法を使えなかった。
同級生の男子・アルフォンス達はここぞとばかりにそれを馬鹿にして、リオを見下していた。しかしリオには先日目覚めたばかりの特殊な力がある。それは、魔力を操って身体能力を強化する武術。リオはこの自分にしか使えない技を、セリアにも内緒で密かに練習していた。


こうしてリオはとにかく目立たないよう、平穏にと自らに言い聞かせ、学問や剣術でも人の見ている所では力を抑えながらレベルアップに努める。
ところが前世の春人としての知識量もあり、リオは学問の試験でいきなりトップの成績を取ってしまう。
剣術でも教師と互角に戦うなど、注目度はますます急上昇していくばかり。女子生徒の中には、リオの活躍に思わず「カッコイイかも!?」とときめいてしまう子もチラホラ。学院長や近衛騎士団長もリオの過去を警戒しつつも、その才能に早くも熱い視線を送っていた。

しかしプライドの高い王侯貴族たちは、孤児に負けてなるものかと大反発。特に男子生徒たちはさらにリオへの憎悪と嫉妬をたぎらせ、隙さえあればリオを下民と呼んで侮辱した。


セリアはリオが褒められると自分のことのように喜び、リオが侮辱されるとたちまち激怒。リオが女子生徒たちにモテていると、無意識で焼きもちまで感じるほど、リオとの絆は深まっていた。

リオは放課後はいつもセリアの元に行き、一緒にお茶をしたり、勉強を教えてもらったりしていた。セリアとの時間はリオにとって、唯一の癒し。セリアはリオが周囲にもっと認められるべきだと憤慨していたが、リオは頼れるセリアがいてくれればそれだけでもう大満足だった。

◆リオ、因縁の相手シャルルと対戦!その腕前は…!?

リオが王立学院に入学してから、あっという間に5年の月日が流れた。リオは12歳になり、いつかセリアが言っていたようになかなかのイケメンに成長していた。身長はセリアを楽々と追い越して、性格もますます落ち着いているリオ。セリアは時々リオに自分が子ども扱いされているような気がして、ちょっとご立腹だった。

あれからたゆまぬ努力を重ねてきたリオは、勉学と剣術でさらなる成績を修め、ついには王立学院と近衛騎士団の交流試合の選手に選ばれる。
これはあくまで交流目的の楽しいイベントのはずだった…が、リオの対戦相手は何とシャルル!!
5年前、リオを拷問して無理やりフローラ王女誘拐事件の犯人にしようと仕組んだ男である。シャルルはこの不祥事で降格されていたが、たくましく成長していくリオの姿を影から見つめて激しく嫉妬。いつか公の場で復讐してやると企んでいた。


リオはそんなシャルルの浅はかな心を見抜き、猛攻をサラリと交わして…見事に瞬殺!!ワッと大歓声が上がり、シャルルはまたしても惨めに退散するしか無かった。

リオに敗れたシャルルは飲んだくれて、ただ愚痴を言うだけの日々。
そんなシャルルの愚痴を聞くフリをして、リオのことを聞き出そうとする男がいた。彼の名はレイス。フードを目深に被ったその怪しい風貌は…5年前のフローラ王女誘拐事件の真犯人である。

レイスはシャルルに圧勝したリオの話を聞き、ますます興味を持った様子。怪しく目を光らせ、罠を張り巡らせようとしていた。

◆もうすぐ初等部卒業…最後の演習中に襲いかかるのは!?

王立学院では初等科の授業もいよいよ大詰め。最後の演習授業が開催され、生徒たちはみんな張り切っていた。リオが参加するチームには、お馴染みのクリスティーナ・フローラ・ロアナ、そして嫌味な男子のアルフォンスやスティアードたちがいた。

アルフォンス達は魔法が使えないリオを邪魔者扱いし、雑用を押しつけて嘲笑する。リオも目立ちたくはないし、特に危険は無い演習だったので裏方に徹すると決めていた。

しかし学院を出た隙を狙うのが、狡猾なレイスのやり方。凶悪なオークやゴブリンを放ち、リオを戦いに巻き込もうと画策する。生徒たちは大した実戦経験も無いのに、次々に襲ってくるモンスターの大群を前に統制が乱れて大混乱。スティアードは情けない悲鳴をあげて後ずさり、そのはずみでフローラ王女を崖から突き落としてしまう。
誰もがもうダメだと思った瞬間、パッと飛び出したのは…やはりリオだった。リオは鮮やかにフローラを抱きかかえ、一瞬で崖の上に彼女を押し戻す。おかげでフローラは命を救われるが、リオは反動で崖の下へ真っ逆さま。フローラはショックを受けて、ひたすらリオの無事を願う。

この混乱に乗じて、ずる賢いスティアードはリオがフローラを突き落としたのだと主張して、自分の罪をリオになすりつける。
アルフォンスもここぞとばかりに、憎たらしいリオに責任を押しつけて、勝手に犯罪者扱い。フローラは助けてくれたのがリオだったと泣きながら抗議するが、アルフォンス達は見てもいない目撃情報をねつ造してニヤニヤ笑うだけだった。

◆リオ、さらに過酷な選択の時

崖から落ちたリオは、魔力を操る強化術を上手く使って、何とか無傷で着地することができた。
しかし密かに初等部チームの元に戻ってみれば、まさかの犯罪者扱い。リオは初等部卒業までは学院にいたかったが、これが潮時かと潔く決断。
いくらフローラ王女がかばってくれても、ずる賢く徒党を組んだ貴族の子息たち相手では、結局都合よく犯罪者に仕立て上げられてしまうだけ…もう、ここにはいられない。
リオは誰にも悟られぬよう、すぐにその場から立ち去ろうとする。


しかし、レイスの罠はまだ終わってはいなかった。突如恐ろしい咆哮が響き渡り、巨大なミノタウロスが姿を現す。生徒たちはまた大パニックに陥って逃げ回り、ろくに反撃もできず負傷していく。フローラ王女は傷ついた生徒に駆け寄って治癒魔法をかけるが、ミノタウロスに見つかって絶体絶命!!

そして次の瞬間…フローラの前にはまたしてもリオが颯爽と立っていた。リオは感激するフローラを逃がし、たった一人でミノタウロスに対峙する。
リオにも勝てるかどうか分からない相手だったのに、それでもリオはこうして飛び出し、立ち向かっていた。
予想通りミノタウロスは手強く、リオは大苦戦。それでも剣術と強化術を使いこなして飛び回り、敵の弱点を見切って見事に勝利した。

レイスは一部始終を楽しそうに見守り、ますますリオに興味を持った様子。ひとまず満足した様子で闇の中へ消えて行った。
その直後、学院内ではこの一件が大問題に。
セリアは学長室の前でリオが行方不明になったことを聞いてしまい、大きなショックを受けて立ち尽くしていた…。

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感想

リオくーーん!!卒業を前にまたもや冤罪で逃亡だなんて、悲しすぎます。王立学院ではきっとハリーポッターみたいな激アツ展開がある!!と期待したのですが、楽しい場面はほんの少しだけでした。こんな状況でも腐らず、誰かを守ろうとするリオ君。その圧倒的な優しさと強さが眩しいです。
そして悪役どもが悪役として完璧過ぎて、本当に許せません!!シャルルやアルフォンスのような小物も、ずる賢さはピカイチで憎たらしい。王族のプライドがあるなら切磋琢磨しなさいよ!と言いたいです。強敵のレイスもちょっかいかけてくる割に目的は不明。ストーカーじゃないんですかコレ?この戦い…かなりの長期戦になりそうですね。