第4話 ヒミコ
その同級生の名前は花京院姫子(通称:ヒミコ)。オドオドと振る舞うヒミコに持ち前の明るさで接する燐。そしてバンドのメンバー誘う。
そのやりとりを聞いて生徒会長は辛辣な言葉を投げかける。ヒミコはもう出席日数がギリギリであること、それで自主退学になるのもいいと思う。甘やかしてくれる世界の中だけで満足していればいいのでは?と言い放つ。さらに付け加える。嫌な事から逃げて、それが当然だと思っている甘えた子には見ていて腹が立つと。
その言葉を聞いて走り去るヒミコ。それを追う燐。怒りを解き放つようにヒミコはドラムを叩く。それを見た燐は智を呼びに行く。燐は智に会長と何を話してたの?尋ねる。”一度め”にはなかった反応だ。違和感を覚える智だが、ヒミコのドラムを見てそんなことは吹き飛んでしまう。
燐はヒミコをバンドメンバーに誘うが、その日は合意されなかった。その帰り道、智はヒミコを誘うのはやめにしないかと提案する。それは燐の死でヒミコが深く傷ついている姿を”一度め”で見ているから。
しかし燐は「ダメだよそんなの!それじゃ智くんが…」と何かを言いかけて口をつぐむ。智も思い直しヒミコを誘うことに。燐が後悔しない三カ月を過ごせるように…それに”一度め”のあの時、確かにヒミコは言ったのだ。”燐ちゃんに会えてよかった”と。
そしてヒミコの留年リミットまであと1日。あれから毎日ヒミコの勧誘を行ってきた二人。そして最終日、ヒミコが学校に来るのを待つ二人の前に、ガクガクと震えながら投稿してきたヒミコ。
そして声を振り絞る。
「わたしも…森山さんたちと…バンドやりたい…です…」