ギャグ詰め込み漫画「行け!稲中卓球部」

概要

古谷実の『行け!稲中卓球部』は、週刊ヤングマガジンにて1993年から1996年まで連載された。全13巻。講談社より、出版。深夜でもアニメが放送される。他に古谷実の漫画として「ヒミズ」、「僕といっしょ」などがある。

登場人物

部長の竹田

卓球の実力はもちろん部内で一番。地区大会でも実力があるほうで、選抜の合宿などにも呼ばれる。しかし、女性には少し奥手で部員に馬鹿にされることもあるが、岩下というヤンキーの女子をゲットする。部員からの人望は、まあまあ厚く、何よりち○こが大きいのが部員の尊敬につながっている。この漫画においては、真面目キャラであるといえる。

前野

主人公といえるキャラクター。現在でいう中二病である。それもかなりひねくれている中二病である。女子に興味はあるものの、全くモテない。最後は、卓球教えてくれたばあさんにまで泣きながら手を出す始末。リア充たちが憎たらしく、あらゆる手段でリア充達をやっつける。それは共に汗を流している部員たちでも例外ではない。卓球の実力はもちろん弱く、はみちんサーブだけが取り柄である。

伊沢

前野の親友である。もちろん、卓球の実力は弱い。しかし、前野との友情は熱いなど、男らしい一面もある。また、無類のあしたのジョー好きで、漫画の中でも、時々「おっちゃん…。」と言いながらシャドーボクシングをする面白いヤツ。前野と大きく違うのは、神谷という可愛くおっぱいの大きい女の子の彼女がいることである。この彼女も面白く、井沢のことを教官と呼んだりする。

田中

見た目からして面白い、いがぐり少年です。しかし、心の中はめちゃめちゃアダルトです。性的なことに興味があり、そこに関してはとことんマニアック。前野や伊沢からも尊敬を集めるほど。卓球は田辺とのダブルスで、やはり弱い。 いがぐりがウけてか、時々、女の子に可愛がられたりする。そこは前野と大きな違いである。 全編を通して、田中くんはいい味出しているキャラクターである。

あらすじ

稲豊市にある稲豊中学校という舞台で繰り広げられる、学園もののギャグ漫画。 卓球部という名目でみんな集まっているが、卓球の練習をするのは最初の巻の方だけでほぼ全編ギャグ漫画。一瞬、みんなで卓球の大会に出たりもしているが。そのときは、部長の竹田がシングルスで出場し、渋谷というライバルと激闘を繰り広げたりもしている。また、卓球漫画らしく、「カットマン」という単語も出てきている。しかし、全編を通してスポーツ青春漫画とはほど遠い。間違っても根性論で頑張ることなどしない部員達。顧問も部員にいびられる始末。そして、暇があれば岩下、神谷などの身近な女子のパンツやおっぱいをねらっているザ・中学生男子。本当にエロチックなギャグ漫画である。 まあ、部員のほとんどが男子なのでしょうがない部分はあるが、みんな今でいう見事な中二病にかかっている。 一冊一冊ごとの読み切り的なところもあり、どこから読んでも面白い内容となっている。 前野、井沢、田中で元祖死ね死ね団を結成したり、部員の木下の家に行き、木下のお姉ちゃんにイタズラをしたり、武田と岩下の恋愛ストーリーなどもあり本当に読み応えありの王道のギャグ漫画。良い感じで一人ずつに焦点が当たっているストーリーとなっている。

見どころ

見どころは部員達が繰り広げるギャグ満載の学校生活。女の子との合コンではこんなことがあった。前野、井沢、田中、田辺で行くが、田辺は体臭がきつく、前野や伊沢に「お前は来る前にプールの塩素に入って来い。」と言われてしまう。 田辺はプールの塩素に浸かると、匂いが一時的ではあるが消えるのだ。 また顔はハーフみたいなので少しだけイケメン。 それにより、その日の合コンではたまたま田辺に人気が集まるのである。 まあ、この中では良い方かなというレベルなのではあるが。 そして田辺は女の子にお持ち帰りされてしまう。 女の子と一緒にお風呂に入ることになり、田辺は心の中で、「お母さん。僕知らない女の子とお風呂に入っている…。」とつぶやく。 そして、女の子が積極的に田辺にいたずらしようとした時、お風呂に入ったため田辺の体から塩素が抜けてしまう。田辺の強烈な体臭に女の子は失神してしまうのである。 こういったギャグな場面がたくさんこの漫画では出てくる。 自分のおっぱいを受話器にするおばあちゃんや、竹田が初めて岩下のおっぱいをめくりあげるところなどお笑いシーンが満載である。 本当に見所満載の稲中卓球部である。

感想

稲中卓球部を初めて読んだのは高校生の時。クラスのみんなが面白い面白いと言うので私も読んでみたのである。衝撃的だった。一気に読破した。今までのギャグ漫画の概念を超えるギャグ漫画。少しエッチなシーンもあるが、ここまで腹を抱えて笑える漫画は他にそうそうないと思う。 古谷さんの少しだけ歪んだ、でもユーモア溢れる視点で描かれた思春期の男の子たち。 登場人物1人1人の個性を大切にしているのが伝わってくる。 ここまでキャラが、それぞれに立っている漫画はみたことがない。 本当に絶妙なタッチとストーリーで書かれている。稲中卓球部読めば、少しだけ心が救われる。心が軽くなる。そして勇気をもらえると思う。 笑うって大切なことだと、読み終わった時に思うことでしょう。明日からも、明るく頑張ろうと思える稲中卓球部。前野や伊沢のように、常に心にユーモアを。本当にオススメの漫画です。