シュールなギャグと魅力的な絵に中毒者多発!「鬼灯の冷徹」

概要

漫画「鬼灯の冷徹」は作者「江口夏実」による「地獄を題材にしたコメディ漫画」。2011年よりモーニングにて連載。既刊29巻。
2014年にテレビアニメ化され、2017年と2018年にはアニメの二期が放送された。

登場人物紹介

鬼灯

主人公。地獄の第一補佐官を務める鬼。閻魔大王の部下なのだが大王に対しての扱いは辛らつ。
事務もこなすが現場にも赴く非常に優秀な人物。
容姿端麗ながら冷徹な鉄面皮、人望はあるがドエスと見かけよりも色々と濃い人物である。

芥子

メスのウサギの獄卒。普段は丁寧なしゃべり方で温厚な性格であるがとある言葉で激高し豹変する。それもそのはず実は「カチカチ山」のウサギな辛子は未だに「タヌキ」の一言で当時を思い出し狂暴化する。モットーは「じわじわ報復する」。

閻魔大王

日本の地獄のトップ。非常に巨漢で185cmの鬼灯が小柄に見えるほど。
裁判中は亡者を裁くために体格も相まって非常に威圧感があるが普段の言動は非常に温厚でのんきな性格。
孫が居り、ジジ馬鹿なな面も良く見せる。

唐瓜

小鬼の新米獄卒。新米ながらもしっかり者で釣り目で2本角、小鬼なので小柄だが子どもでなく青年。普段は真面目できっちりとしているがむっつりスケベな性格でマゾを匂わせる言動が垣間見られる。茄子とは腐れ縁でよく尻拭いをする。

茄子

小鬼の新米獄卒。垂れ目で三本角。唐瓜同様青年だが言動は気まぐれでマイペースな為子どもっぽく見える。芸術的な才能があるが生活を安定させるために就職した。朧車の父と小鬼の母を持っているハーフであり一人っ子。

あらすじ

今日も地獄は大忙し。様々な案件が閻魔大王の第一補佐官である鬼灯に持ってこられる。
それは地獄の刑罰に使う備品の要望から天国からの人材派遣要請まで多岐に渡る。
大忙しの中急を要して鬼灯に助けを求める獄卒が現れた。彼が言うには最も強い鬼を出せと要求する人物がいるそうだ。
実際に現場に赴くとそこにいたのは桃の旗印を背負い、イヌ・キジ・サルを従えた青年、桃太郎だった。
桃太郎が言うには鬼を退治するためにやってきたそうだが人々を苦しめているわけでもない地獄の鬼を退治するのは甚だ見当違いである。
話し合いと圧倒的な実力差を見せつけて桃太郎を大人しくさせた鬼灯は天国からの人材派遣要請を思い出して桃太郎に就職先を斡旋するのであった。
桃太郎の就職先は天国の桃園の管理、その傍ら桃太郎は中国の神獣・白澤を師事して薬の知識を学ぶことにする。
しかしこの神獣、女癖が悪く威厳もなにもあったものではない上に鬼灯との相性も最悪。
顔を合わせるたびに喧嘩をする二人を尻目に苦労の絶えない桃太郎であった。
この後も桃太郎に限らず一寸法師や瓜姫、カチカチ山のウサギなど童話に出てくる人物の出現やギリシャやエジプト、EUの地獄を管理する神や悪魔との多文化交流、現世の視察や人材確保と地獄は今日も大忙しであった。

見どころ

鬼灯の冷徹は世界の地獄を題材にした漫画である。
日本の地獄の第一補佐官である鬼灯が主として地獄とはどういう場所なのかを教えてくれる。
日本の地獄とはどういう構造でどの様な者が落ち、どんな責め苦が待っているのか。また49日などの決まりごとはどういうものなのか、お供え物の意味とは。そういった日常生活でも関わりがあることから昔話や歴史上の人物の今現在、他の文化圏での地獄・冥界はどうなっているのかと知識的な欲求を満たしてくれる一方、登場する様々なキャラクターたちを独特のテンションと絶大なパワーでねじ伏せていく鬼灯とのやり取りを面白おかしくも読める作品となっています。
地獄に落ちたくなければ読んだ方が良い先品、しかし読んでしまうと行ってみたくなるような地獄の作品です。

感想

初期から読んでいただけにもうすぐ完結の報を見て寂しく思ってしまうものです。
色んな兼ね合いや世界観が広がるため多くのキャラクターが登場し。関わりを持っていくとても楽しい作品でした。時折みられる暗い過去や普段見せない感情も魅力的ですがやはり思わず突っ込みたくなるようないきおいと笑いがとても好きです。
鬼灯の自分は地味であるという一方で閻魔大王をしばきつつ黒幕を務めるのが美味しいとしっかり自分の立ち位置を把握しているのがまた良いですね。
しかし閻魔大王に対して信頼感を見せるシーンもあり好きなコンビです。初期によくあった勘違いを私もしていて、当初鬼灯は女性だと思っていました。
補佐官が秘書っぽい人だと思っていたことと話し方が丁寧で切れ目の女性だと勘違いしていてので男性だと聞いた時は驚きました。言われてから見ると確かにのど仏があるんですよね。最後までしっかりと楽しみたいと思います。