概要
漫画「神風怪盗ジャンヌ」は「種村有菜」による少女漫画。
セーラームーンのような変身モノと、当時連載されていた怪盗セイント・テールを合わせたような設定。
1998年より雑誌「りぼん」にて連載。全7巻(単行本) / 全6巻(完全版)。
1999年にアニメ化。種村有菜を代表する作品の一つである。
登場人物紹介
日下部まろん
身長:154cm 体重:43kg。神風怪盗ジャンヌの主人公で、怪盗ジャンヌの正体でもあります。
彼女が所属する新体操部では驚異的な身体能力を発揮しており、怪盗業でも存分に生かされていました。
優等生で優しいけれど気が強く、強い女の子として見られがちですが、仕事で離れて暮らす両親から手紙が来ていないか毎日確認してしまう、寂しさや孤独も抱えています。
名古屋稚空
身長:175cm 体重:55kg 。まろんのクラスに現れた謎の転校生で、怪盗シンドバッドの正体でもあります。
まろんに何故か好意を寄せアプローチしてくる怪しい男でしたが、のちに本当にまろんのことを好きになり、守りたいと願うようになります。
フィン・フィッシュ
準天使。まろんの前に突然現れた手のひらサイズの小さな天使です。彼女の力でまろんは怪盗ジャンヌへと変身します。ちょっとミーハーですがとても明るく、強がりなまろんの良きパートナーとして、一番身近な理解者として彼女を支える存在です。
アクセス・タイム
黒天使。怪盗シンドバッドのパートナーとなる存在です。フィン曰く「魔王の手先」ですが、フィンとアクセスのやり取りはどこか腐れ縁のような親しみも感じられます。
とにかくフィンのことを気にかけているようで、怪盗ジャンヌがピンチの時は怪盗シンドバッドと共に助けてくれることもあります。
あらすじ
神風怪盗ジャンヌ。 彼女の正体は女子高生!
眉目秀麗、新体操部ではエース、優しくまじめで負けず嫌い。 そんな彼女が怪盗をする理由は、絵画に潜む悪魔を封印するため。
相棒である準天使、フィンと共に絵画を美しいと思う人の心に巣くう悪魔を封印し、そ の力を神様に返す役割を担っているのです。
そんなある日、怪盗シンドバッドと名乗る男が現れます。 彼もどうやら悪魔を封印する力を持っているようですが、傍にいた黒天使、アクセルを見たフィンはアクセルを「魔王の手先」だといいます。
だとすれば、怪盗シンドバッドは敵…。
そんなまろんの元へ、今度は謎の転校生が。 名古屋稚空と名乗る彼はなんとまろんの隣の部屋に入居してきたというのです。 何度もアプローチをしてくる稚空に、まろんは警戒しつつも少しづつ絆されていきます。 ですがある日、まろんは怪盗シンドバッドの正体が名古屋稚空だと知ってしまうのです。
稚空がまろんに近づいたのは、まろんに怪盗を辞めさせるため?との問いに、稚空最初の目的はそうだったと認めるものの、 今はまろんを守りたいのだと話すのでした。 変わらず怪盗業を行う2人でしたが、まろんの相棒であり、怪盗ジャンヌに変身する力をくれていた フィン・フィッシュこそが魔王の遣いであることが判明し、事態は一変します。
フィンが姿を消してから怪盗ジャンヌに変身できず、家族であり心の支えでもあったフィンを失ったことで、 まろんはひどく落ち込んでしまいます。
そんな中、「魔王の遣い」としてのフィンが現れ、彼女に力を失ったロザリオ(怪盗ジャンヌへの変身アイテム)を奪われマンションから落とされてしまい、そのロザリオを追ってまろんもベランダから落ちてしまいます。
落下後、途中でやってきた高校教師であり、魔王に使わされた悪魔騎士である紫界堂聖にかばわれたはずのまろんは中世に飛び、ジャンヌの秘密を知ることになるのです。
見どころ
神風怪盗ジャンヌは怪盗モノなので、毎回毎回警察を鮮やかにかわすその手腕や、悪魔に憑かれた絵画の「所有者」たちとの対決は見逃せません。ですが、やっぱり神風怪盗ジャンヌの見どころと言えば!美しく繊細な絵柄で進む、強がりで意地っ張りな少女の恋愛模様。
神の遣いとしてのまろんと、「魔王の手先」を従える稚空。どうして怪盗シンドバッドは怪盗ジャンヌの邪魔をするのか?それなのに、どうして時に共闘し助けてくれるのか。敵のはずなのに惹かれる気持ちと、稚空は自分を利用しているのでは、という葛藤はまさに少女漫画の醍醐味ですね!!
稚空に惹かれていくまろんの描写だけでなく、はじめは単に惚れさせて言うことを聞かせようとしていた稚空側の気持ちの変化も丁寧に描かれています。
感想
まろんのけなげな葛藤を知っているだけに、各キャラクターごとの真相が明らかになるたびにボロボロと泣いてしまった覚えがあります。
愛しているのに、一人で暮らすまろんに手紙一つ寄こさない両親、なんで!?まろんに好意を持っているはずなのに、怪盗ジャンヌの前で悪魔を封印してしまう怪盗シンドバッド。なんで!?最後まで読めばもちろん理由は明らかになるのですが、それでも深く傷つき、一人孤独に懸命に生きていたまろんを思うと、みんなもう少しわかりやすくまろんを愛してあげてよ!と思わずにはいられません。
そして読者としてとてもキツかったのがフィンの裏切り。裏切りというか最初から魔王の手先だったわけですが、それでもいいからフィンにそばにいて欲しかったというくらい、まろんはフィンに依存していましたからね。その直前の事件のこともあり、この時のまろんは本当にかわいそうでした。それでも立ち直れるし前を向ける、ラストはちゃんとハッピーエンド!
そんな王道少女漫画、素敵でした!