【飯テロ 第一弾:立ち食いそばは座って食すべし!】如何に一日を有意義に過ごすかが勝負!福本伸行作品「カイジ」の登場人物・大槻班長を描いた飯テロ・スピンオフ作品!福本伸行協力「1日外出録ハンチョウ」

こんにちは、犬王です。

今回はあの福本作品「カイジ」の登場人物・大槻班長のスピンオフ作品「1日外出録ハンチョウ」をご紹介したいと思います。

私も地下労働施設の社畜のごとく働いていますが、たまの休日は疲れ果て寝てしまい、気が付いたらあっという間に休日が終わってしまいます。

本作を読むとお金をものすごく贅沢に使うでもなく、有意義に1日を謳歌するハンチョウを見てついつい真似をしたくなってしまいます。

そしていつも無意識にスルーしていた小さなことにも幸福感を覚えている自分がいることに気が付いたのです。

また幸福感を得るには自分の気持ちの持ちようなのだなと感じました。

それでは本気で楽しむ大人の24時間を紹介していきたいと思います。

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作品概要

『1日外出録ハンチョウ』(いちにちがいしゅつろくハンチョウ)は、福本伸行の代表作『賭博破戒録カイジ』で、地下労働施設のE班をまとめる班長・大槻を主人公としたスピンオフ作品。
キャッチコピーは『カイジの飯テロスピンオフ作品』。
スピンオフ作品としては『中間管理録トネガワ』に続く第2弾。

地下労働施設でチンチロや物販で稼ぐ班長が、その潤沢な資金(ペリカ)で一日外出券を使用し、地上でのグルメや旅行に興じる姿を描く。
作品内で使用される貨幣・ペリカは地下労働施設内でのみ流通する貨幣で、1円=10ペリカである。ちなみ一日外出券は50万ペリカである(5万円)

原作:萩原天晴
漫画:上原求、新井和也
協力:福本伸行

本編に似せた絵柄で描かれている。

休載告知について

2019年6月までに計3度の休載が告知された。休載の理由について、過去2回は「主人公の大槻が1日外出券の購入度合いが過ぎて、所持金が尽きかけたため、1日外出を休憩する」という内容で、3度目の休載に関しては理由は明確になっていない。

主要人物紹介

大槻 太郎(おおつき たろう)

本作の主人公。
地下労働施設のE班班長。

班長の特権を活用し、地下労働施設内でピールやお菓子などを販売し、利益を得ており、また主催する賭場で、イカサマを使用し、チンチロで大勝ちしている。そして囚人たちから収奪したペリカを大量に貯蓄。その大量に貯め込んだペリカを使用し、定期的に「一日外出券」を利用している。
地上で24時間を本気で楽しむ姿が描かれる。

沼川 拓也(ぬまかわ たくや)

大槻の側近。宮崎県出身の35歳。

大槻を慕い、一日外出の予定日を合わせて行動することが多い。
自身は一日外出に慣れておらず、大槻の的確な楽しみ方に衝撃を受けているシーンも多くみられる。

ふと読んだ雑誌をきっかけに漬物作りに熱中し、そのクオリティは周囲からも高い評価を受けている。

石和 薫(いさわ かおる)

大槻の側近。34歳。

大雑破でマイペースな性格。

たまに自分本位な言動で大槻・沼川を困惑させる。
幕末ファンであり、同じ幕末ファンの大槻と意気投合。
坂本龍馬の墓前で号泣したり、動物系のドキュメンタリー番組で泣きそうになったりと涙もろい一面もみられる。

宮本 一(みやもと はじめ)

地下監視役の黒服。30歳。

北海道函館市出身。帝愛入社6年目。

当初は大槻に対し強い不信感を見せていたが、同伴した地方自治体のアンテナショップ巡りで、抑えていた欲求を大槻に刺激され解放してしまう。結局は大槻と酒を飲み交わす間柄となり、その後も親交を深めていく。

大槻や側近達を気にかけたり、沼川が大槻たちとケンカ別れしそうになった場面では涙を流しながら沼川を説得するシーンなどあり、熱い性格の持ち主。

地下ではE班の地下監視役のリーダー的な存在。メンバーからの信頼も厚い。

なぜハンチョウの一日は有意義なのか?

本作を読んで、特にお金を浪費するわけでもなく、とりわけ変わったことをするわけでもなく、しかしながら幸福感、満足感を満たすハンチョウの1日の過ごし方の秘密を探ってみようと思う。

まず前提としてハンチョウは普段は地下労働施設で過酷な生活を送っている。

そのため、我々が通常スルーしてしまう事に対しても、しっかり考え検証し、限られた時間と環境を存分に味わおうという心構えがある。

次に自らで用意した設定を利用し、普通の環境に付加価値を付与し、あまつさえ周囲の人間をも巻き込み自分の幸福感や満足感を満たす事である。

最後に心乱さず行動する事である。(心乱して失敗することもある)

それでは具体的にハンチョウ流「一日の過ごし方」を見ていきたいと思う。

立ち食いそばは座って食すべし!(第1巻、第1話収録)

ある日、一日外出券を使用し、日比谷公園で目が覚めた班長。

むろん黒服たちに監視されている状況である。

大抵の人間は、限られた時間の中で、少しの時間も無駄にしまいと、慌ててダッシュし、やりたかった事を遂行しようと必死となり、挙句の果てには時間が来ると醜く駄々をこねるのが通常。

そのような状況の中で班長は、ニットや靴下についた毛玉を取るのに数時間もの時間を費やす。

そしてあたりが暗くなるのを確認すると、簡単に食事を済ませ、格安ビジネスホテルで就寝。
そしていよいよ翌日、班長は動き出す。
まずスーツを着用。

なぜなら班長のいる銀座、新橋界隈には、ドレスコード、すなわちきちんとした格好をしないと入れないような高級店がたくさんあるからだ。

と思わせて、班長が入店したのは、立ち食いそば屋。

監視する黒服たちの驚きは隠せない。

そしてその後も班長の行動は周囲を驚かせる。

まず立ち食いそば屋でカウンターではなくテーブル席を選択。

そして注文は、それぞれ単品で、コロッケ、かきあげ、海老天、ほうれん草の温玉のせ。そして極めつけに「生ビール」を注文。

ここではそばは頼まない。

ざわつく周囲。

時間のないサラリーマンの集まるこの店で、唯一テーブル席で昼から生ビールを飲める重役を演出する。

ここでスーツが生きる。

私服で来ていたら平日の昼から仕事もなく酒を飲むただの落後者だが、スーツを着ることにより、昼間から酒を飲んでも許される権力者に様変わりする。

ただの昼食が、飲みたくても飲めないサラリーマンへの優越を肴に、自己の満足感を満たす昼食へと昇格させる。

そして幸福感、満足感を満たした班長は余裕の面持ちで黒服の待つ地下行きの車両へ赴くのであった。

結末

今回は、普通であれば、ただ立ち食いそばを食べるだけで終わるだろう状況を、スーツでテーブル席に座り、そばを食べずにつまみと生ビールを注文するという荒業で、店で唯一の権力者であることを示し、満足感を得るというテクニックを見せつけたハンチョウ。(実際は地下労働施設に監禁される労働者…)

ちょっとしたアイデアと心の持ちようで、なんてことのない状況を見事に自己を満足させる一日に変貌させて見せた。

今後もハンチョウ流「1日の過ごし方」を紹介していきたいと思う。

やることに迷った方は是非試してみては如何だろうか。