口裂け女とドラゴンボールシリーズ①

~もしも口裂け女と悟空が出会ったら~

私はいつものように夜道に立っていた。

過去に整形手術を失敗し、口が耳元まで裂けてしまったことの恨みやコンプレックスを、他人にぶつけて憂さ晴らしすることが日課となっていた。

初めはマスクをして、「私、キレイ?」と尋ねると、たいていの人間は「はい、キレイです」と、戸惑いながら答える。そして私がマスクを外し、裂けた口を見せるとその顔は恐怖へと様変わりする。その顔を見るのがたまらなく快感だ。

この日も、人通りの少ない路地で人を待ち伏せる。

すると、一人の人間が路地に入ってきた。

オレンジ色の服に、亀というロゴの入ったおかしな格好をしている。

毛量も尋常ではない。

少し躊躇したが、その日は特にむしゃくしゃしていたので話しかけてみた。



私「私、キレイ?」



悟空「オラ、そういうのわかんねぇ」



私「マスクをしているからね?じゃあこれでどう?」



マスクを外して、裂けた口を見せる。



悟空「だから、マスク外してもキレイとかそういうのオラわかんねぇ」



私「とぼけたやつね!今までの奴らみたいにひどい目に合わせてあげましょうか?」



悟空「今までのやつ?・・・それは・・・クリリンのことかーー!



気がつけば私は路地に寝ていた。