【最終話】【感動の結末】漫画『二度めの夏、二度と会えない君』第10話ネタバレ!

最終話 二度と会えない君

屋上でついに燐を見つけ出した智。歌おうとしても、胸がつかえて、苦しく、痛くて、どうやって歌っていたか全然思い出せないと言う燐。そしてごめんなさいと座り込んでしまう。「ごめんなさい」という言葉は智にとって重たい言葉である。1度めの最期に燐が智に残した言葉だったからだ。その言葉を聞いて智はもう繰り返してはいけないと、燐と過ごした六か月のすべてを今ぶつけなくてはと、ある言葉を言う決心をする。

「…俺さ、お前の事、すっげえ大切だよ。」

その言葉にびっくりする燐。智はのけぞる燐の腕をしっかり握り、自分の想いを告げる。

「ずっとくすぶってたんだ、俺。やりたいことも思いっきりできなくて、勇気もなくて。そういうの押し殺したまま、適当に大学行って適当に就職して…ずっと不完全燃焼で生きてくんだろうなって…」

「けどお前に会えた。」

「お前と色々無茶やって俺は幸せだったよ。楽しかった。俺がお前のことどれだけ大事に思ってるか、多分どれだけ音楽極めたって伝えきれないぞ。俺にとってお前とのライブ以上に大事なものなんてねーってことだよ。」

智の言葉に燐は泣きながら言う。

「そんな事言われても…あたし、今…歌えない…」

「そう簡単に引き下がるような俺じゃないぞ。」

と智は笑顔で燐を見つめ突然立ち上がる。

そしてへたくそな校歌を全力で歌い始める。

まさかの智の行動に面を食らってしまう燐だが、そのうちこらえることができず、おなかを抱えて笑い転げる。やっと元気を取り戻した燐。

そこに会場から歓声が聞こえる。ヒミコと六郎が燐と智がいない間、二人の演奏で観衆を温めていたのだ。

「みんな、お前を待っているぞ、燐。いけるか?」

「まだ、不安だけど…でもきっと大丈夫。智くんと一緒ならなんだってできる。」

ついにステージに立った燐。大盛り上がりのステージで全力で演奏するメンバー。

そんな演奏の中、智は限られた燐との時間が終わるのだということを考えていた。そして心の中ではっきりと思う。

「燐、俺は…お前のことが好きだよ。」

決して口にはできないけどそれでいいんだ、と智を見て満面の笑みを浮かべる燐を見つめながらそう思う智だった。





そして二度めとなる燐との最期の病室。

一度めと同様、死期を悟る燐はみんなに会えて良かった、たった三か月だったけど、一生分楽しかった、と智に感謝の気持ちを伝える。そして、前を向いてバンドを続けてほしいと智に告げる。

ここで一度めは智が自分の好きだという気持ちを伝えたが、二度と過ちは繰り返さない。

智は録音したある曲を燐に手渡す。その曲は以前、凛が昔から耳に残っている曲があると言っていたものを智とヒミコと六郎の三人で再現した曲だった。

その曲を聴いて

「この曲だ…やっと…会えた…」

と涙を浮かべ喜ぶ燐。

「Primemberはまかせとけ。いつかアニマートを超えてやるから…」

「…うん、約束だよ。」

気が付くと燐の葬儀後の雪の降る河原に戻っていた智。そしてポケットに入っていた「ごめんなさい」と一言書かれた燐からの手紙に気が付く。

中身を見てみるとその文面は変化していた。

「智君へ 最後まであたしのワガママに付き合ってくれて、ありがとう。燐」

感謝の気持ちが書かれている文面にほっとする智。

よく見ると端っこにまだ文字が書かれている。

「あたしもきっと、智君と同じ気持ちだったよ。」

その言葉を見て走馬灯のように今までの燐との時間が智の頭の中を駆け巡る。
もう二度と会えない燐への喪失感に襲われる。

その時、智の頭の中に「約束だよ。」という言葉が聞こえ、智を立ち上がらせる。

そして携帯を握りしめる。

しばらくすると智のもとに瑛子、ヒミコ、六郎が現れる。
燐が引き寄せてくれた最高の仲間たち…

「バンドやろう!」燐が導いてくれたこの道の先へ。

感想

一度めもお互いを想い合っていた。しかし燐がなぜあのような反応になったかというとお互いが好きであることを確定的な言葉にしてしまうと、幸せな二人の未来を想像してしまう。しかしその未来は確実にない。燐にとってもつらいし、これから生きていく智にとっても前に進めなくなってしまう。だからこそ燐は幸せな二人の未来を想像させないためにあえて辛辣な態度をとったのだろう。しかし智にとってはそれが強い後悔となってしまい、その後悔の念が二度めの世界を作り出したのではないか。そして物語では明言はないのだが、燐にとっても二度めだったのではないかと私は考える。幾度となく一度めと異なる状況になったのは燐にとっても二度めだったからではないだろうか。二度めにおいて二人には目的が課されていたのではないかと思う。智は幸福感をもって燐を送り出してあげること、燐は智が先に進めるように導いてあげること。燐が亡くなってしまうことに変わりはなく決してハッピーエンドではないように思えるが、二人の目的があってそれが成し遂げられたのであれば、それはハッピーエンドなのではないかと思う。