作品概要
原作:丁々発止、漫画:茅田丸、キャラクターデザイン:chibiによる新連載漫画。原作小説は6月に講談社レジェンドノベルスにて書籍化。幼き娘と共に名状しがたき理不尽に抗う物語である。
第1話 ありったけの呪い
「今日から相棒だ。よろしくな、ルーリエ」
「うん、ツグトといっしょに強くなる」
ツグトとルーリエは手を取り合い強くなることを決意する。
数日前に時間は遡る。
ツグトはバスに乗っていた。すると目の前に金髪の不良が現れ、席は多く空いている状況にも関わらず「席を譲れ」と威嚇する。二~三年前であれば、大人しく従うツグトではなかったが、今や喧嘩を買っても得のないことを理解し、ヘラヘラと笑いながら席を譲る。
するとバスは突然、衝突事故を起こし、席を立っていたツグトだけ吹き飛ばされる。気が付くと首から生暖かいものが…割れたガラスが首に刺さり大量に出血している。寒気と動かない体に死の予感が押し寄せる。
その時「ピロン♪」と音がする。
席を譲れと威嚇してきた男が携帯で死んでいくツグトの姿を動画に撮っているのだ…強烈な怒りがツグトを襲う…が、ツグトにはありったけの呪いの念を込めて睨みつける事しか出来なかった…
ツグトを目を覚ます。傷も痛みもない。炭原継人(すみはらつぐと)、自分の名前も憶えている。あたりを見渡すと、そこは普通の洞窟のようだ。先を進むと青い瞳の外国人が立っている。その外国人はツグトに言葉を投げかける。
「おい”タグ無し”!通るなら早く通れ!」
この男性は日本人ではない。彼が話す言葉はどこの言語かもまるでわからなかった。しかしなぜか”理解できた”。聞き覚えのない音の羅列の意味が…言葉がわかった。
理解不能の状況を把握しようと、ツグトは出口を探すことに。その途中、青い粒の宝石を発見する。勝ちがあるかもしれないので、ツグトは無色透明の意思を選び持っていくことにした。すると目の前を重そうな荷物を運ぶ数人が通ったので、彼らについていくことに。
出口を出てみるとそこには多くの人が行きかっていた。ここは日本ではないようだ。黒髪がほとんどいないし、身なりも中世の時代のものにみえる。中には剣をぶら下げている人間までいる。まるでRPGに出てくる冒険者のようである。
すると一人の少女が走り抜けるのを見た。お互い目が合うがこの時は何も交流はしなかったが、のちに二人の運命は深く交わることになる。ツグトは状況を把握するためあたりを見渡す。するとあり得ない棘状の山が雲を貫き天まで伸びていた。まるで神話に出てくる”バベルの塔”のよう。
そしてツグトは気づく。ここは…地球ですらないと…
感想
なんとも先が読めない展開に魅力的な世界観!退屈な現実から新しい世界へ転送されたツグトは今後どのように行動するのでしょうか?また今回は正体が空かされなかったルーリエはどのようにツグトと出会い、なぜ二人は強くなることを決意したのでしょうか?今後の展開に期待です!