君に届け ~概要~
「君に届け」は、椎名軽穂による日本の少女漫画作品。集英社発行の『別冊マーガレット』において2006年1月号から2017年12月号まで連載されていた。2008年第32回講談社漫画賞少女部門の受賞作。全123話、全30巻。テレビアニメ化、ゲーム化、実写映画化もされている。
君に届け ~登場人物紹介~
黒沼 爽子(くろぬま さわこ)
長い黒髪に長い前髪の高校一年生。性格は真面目で、人を助けることが好きな心優しい女の子。
しかし長い黒髪と名前のせいで「貞子」というあだ名をつけられ、これまで周りから距離を置かれてきた。そんな境遇でも負けずにみんなと仲良くなろうと笑顔の練習をしたりして明るく接しようと努力している頑張り屋さん。
風早 翔太(かぜはや しょうた)
爽子と同じクラスで誰からも好かれる爽やかな男の子。しかし本人は自分をそんな風に思っていない。
間違ったことは嫌いなまっすぐで頑固な性格。誰にでも平等に優しく接するが、爽子のことは特別に思っている。
矢野 あやね(やの あやね)
あだ名はやのちん。爽子のクラスメイトで親友。
見た目はギャル風だが、礼儀正しく人の感情に敏感なタイプ。恋愛経験が豊富で爽子の良きアドバイザーだが、実は自分から人を好きになったことがない。
吉田 千鶴(よしだ ちづる)
あだ名はちづ。爽子のクラスメイトで親友。
感動しやすく涙もろいタイプ。性格は熱血で、思ったことをすぐ口にしてしまう所がある。とても鈍感で人の感情にほとんど気付かない。
ラーメンが大好き。
君に届け ~あらすじ~
物語の舞台は北海道。北幌高校に入学した新高校1年生、爽子は長い黒髪が特徴の女の子。
爽子は小学生のときから、その長い黒髪と白い肌と不器用な動きのせいで、ホラー映画の「貞子」とからかわれ、クラスメイトから遠巻きにされてきた。爽子自身はそんな境遇にもめげず、皆と仲良くなるために笑顔の練習をしたりして明るく接しようと頑張るが、なかなかクラスに馴染むことができなかった。
爽子のクラスには、風早翔太という誰からも好かれる、言わば爽子とは正反対の男の子がいた。風早と関わっていくうちに、爽子は次第に自然な表情で笑えるようになり、爽子自身の純粋で健気な性格も周囲に理解されはじめ、少しずつ友人ができていきます。
そんな中、爽子は入学式の日に出会っていた風早に恋をしていたこと、風早が自分にとって大切な存在であることを自覚します。生まれて初めての恋愛感情にどうしたらいいか戸惑う爽子。
初恋、友情、将来の夢。高校入学から卒業まで主人公たちの青春が丁寧に描かれます。
君に届け ~見どころ~
超純粋で健気な主人公、爽子がどんどん周囲に愛され変わっていくところが見どころです。周囲にからかわれたり怖がられたりして浮いていた爽子ですが、人を決して恨まず、責めず、自分の力で困難に立ち向かう爽子の頑張りに少しずつ周囲が気付き出すんですね。爽子の魅力に気付いた友人は物静かな爽子とは違ったタイプのキャラクターですが、女の子同士の熱い友情が生まれ、一生ものの親友になっていきます。
爽子の初恋の相手、風早くんは誰からも好かれる男の子ですが、実はちゃんと悩みを抱え人として葛藤している姿が描かれるのもこの作品の魅力。
「君に届け」は主人公だけでなく、周囲のキャラクターそれぞれの人生が交差し、お互いに影響を与え合いながら成長していく姿が描かれます。
君に届け ~感想~
「君に届け」は少女漫画の王道作品と言っていいと思います。健気で頑張り屋の主人公が、かっこよくて爽やかな男の子に初めて恋をし、たくさんの頑張りを経て恋が成就することになりますが、それまでに描かれる純粋な爽子の可愛さや、風早くんとの胸キュンエピソードは青春ど真ん中でとても素晴らしいです。
「君に届け」には恋愛模様が多く含まれますが、それまで孤独だった爽子に心強い親友が二人も出来て、おしゃれを教わったり、楽しいイベントに参加したり、時には悩みを相談したりして支え合う友情要素もたくさん描かれています。女の子の友情っていいですよね。
主人公の爽子は大切な人たちとの関わりで人間的に成長していきますが、爽子の存在によって周囲のキャラクターたちが成長していく所も感動的です。