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浦沢直樹の名作「MONSTER」実話と思わせるほどのリアルな描写。あらすじ・見どころ・感想など

作品概要

漫画『MONSTER』は、浦沢直樹によるサスペンス漫画。1994年から2001年まで、ビッグコミックにて連載。単行本は、全18巻。完全版は全9巻。2004年には、同作品のアニメが日本テレビ、ほかで放送された。



登場人物紹介

天馬賢三(Dr.テンマ

本作の主人公。ドイツのアイスラー記念病院で働く日本人脳外科医。周囲の誰もが認めている手術の腕を持っており、「天才」と称される。頭脳明晰で穏やかな性格。仕事に対しても真面目で、人を助けることに人一倍の情熱と責任感を持っている。


ヨハン・リーベルト

人並外れた頭脳とカリスマ性をもつ。金髪碧目で、完璧な美貌を持つ若い男性。幼いころから驚異的なカリスマ性を持ち、人の心に入り込み、相手を思いのままに操る術を備えていた。ある事件から頭部を撃たれて重傷だった所を、Dr.テンマの執刀する脳外科手術によって命を救われる。


ニナ・フォルトナー

平穏な家庭で過ごし、平凡だが楽しい大学生活を送る。幼少期の記憶はないが、義父母のフォルトナー夫妻の方針と愛情のため、実子と疑わず生活をしていたが、Dr.テンマとの出会いから、ニナの今までの生活は一変していくことになる。


ハインリッヒ・ルンゲ

BKA(ドイツ連邦捜査局)所属の警部。 ヨハンが行った殺人の容疑者 として Dr.テンマが行ったものと考え執拗に追いかける。指をパソコンのタイピングのように動かし、驚異的な記憶力を発揮する。


あらすじ

1996年、天才的な技術を持つ日本人脳外科医であるDr.テンマは、西ドイツ(当時)デュッセルドルフのアイスラー記念病院に勤め、ゆくゆくは脳外科部長から院長という出世コースを掴みかけていた。

そんなある日、頭部を銃で撃たれた重症の少年ヨハンがアイスラー記念病院に搬送されてくる。Dr.テンマは、院長の命令を無視してヨハンの手術に執刀し、ヨハンの命を救う。しかし、それが院長の不興を買うこととなり、テンマの順風な状況は一変し、出世コースから転落する。

そんな中、院長、外科部長らの殺人事件が発生。同時に入院中だったヨハンと、彼が搬送された時に一緒にいた双子の妹が失踪する。院長、外科部長が殺害された後に、Dr.テンマは新しい院長に手術の腕を認められ、順調に出世していく。

そして、外科部長となったDr.テンマの前に、美しい青年に成長したヨハンが現れる。ヨハンはDr.テンマの前で彼の患者であるユンケルスを何の躊躇もなく射殺し、過去の院長と外科部長らの殺害はテンマのために自分がやったと告白する。

Dr.テンマは、ヨハンを怪物化させて事に深い負い目を感じ苦悩する。そして、殺人犯の濡れ衣を着せられ、警察に目を付けられながらも、彼を自分の手で射殺すことを決意し、ヨハンの追跡を始める。


見どころ

まず、『MONSTER』の時代背景や人物の描写などが非常にリアルであり、実話なのではないかと思ってしまうほどです。読めば読むほど、そのとてもリアルな世界に入り込んでいくことができます。

読み進める毎に、Dr.テンマ、ヨハン、ニナを中心に事件の複雑さがわかっていきます。登場人物もこの3人だけではなく、様々な人物が出てきます。そして、それぞれの登場人物の個性もしっかりと描かれています。しかし、内容の複雑さ登場人物の多さから理解に苦しむということはなく、丁寧に描かれているため、最後には全ての謎が繋がるという風に仕上がっています。

サスペンス好きの方でも、そうでない方でも夢中なって読め一冊だと思います。


感想

最初は、病院の権力構造に悩みながらも患者の命を救うDr.テンマが、自分の信念に従って手術を行い、出世コースから転落するも、そこから大出世をするという流れに、どこか『半沢直樹』を思い出させ、スカッとします。

しかし、そんなどんでん返しの漫画かと思いきや、本格的なサスペンス・ミステリ漫画であり、1~2巻を読み終わった頃には「えっ、そんな展開になるの?」と、物語に引き込まれます。ある意味、どんでん返しが起こっていますね。

時代背景や登場人物の設定も非常に凝っており、現実の物語にあるのではないかと、思わずネット調べてみた程です。アニメでも放送されているので、アニメも見るとよりMONSTERの世界観にハマると思います。