悪魔の血を引く少年を描くダークファンタジー漫画「青の祓魔師」あらすじ・見どころ・感想など

作品概要

漫画「青の祓魔師(エクソシスト)」は加藤和恵による少年漫画。2009年よりジャンプスクエア掲載。既刊24巻。(2019年12月現在)2011年アニメ化。2012年アニメ映画化。スピンオフ作品に「サラリーマン祓魔師 奥村雪男の哀愁」、小説版で「青の祓魔師 ウィークエンドヒーロー」「青の祓魔師 ホーム・スイート・ホーム」「青の祓魔師 ブラッディ・フェアリーテイル」「青の祓魔師 スパイ・ゲーム」がある。

登場人物紹介

奥村 燐(おくむら りん)

正十字学園高等部の1年生。本作の主人公。悪魔の王サタンと人間の間に産まれた15歳の少年。通称「サタンの落胤(らくいん)」。見た目は普通の高校生だが降魔剣「倶利加羅(くりから)」を抜くと悪魔の力が宿る。物事を深く考えることが苦手で、楽天的。短気で喧嘩もよくするが、単純で素直な性格のせいか、サタンの子供といえど、人に愛される性格である。育ての親である祓魔師の獅郎をサタンに殺されたことをきっかけに祓魔師になることを決意する。特技は料理。勉強は大の苦手。


奥村 雪男(おくむら ゆきお)

正十字学園高等部特進科の1年生。燐の双子の弟。燐と違い悪魔の力を使うことはできないが燐の影響により幼い頃から悪魔が見える。燐とは真逆の性格で、冷静沈着、品行方正、成績優秀である。イケメンメガネ男子であり、女子にとてもモテる。養父獅郎より幼い頃から祓魔師になるための教育を受けており、13歳にして史上最年少で祓魔師となった。「燐を守る」という強い信念を持っている。しかし、自分にはない素直さ、天真爛漫さをもち人を惹きつける燐と自分を都度都度比べてしまう。


杜山 しえみ(もりやま しえみ)

正十字学園高等部の1年生。本作のヒロイン。祓魔用品店の一人娘で幼い頃から雪男と交流があった。植物が大好きで、植物ひとつひとつに「〜ちゃん」とオリジナルの名前をつけてしまうほどである。また母親の影響か普段着は着物であることが多い。箱入り娘のせいか、人見知りでよく赤面してしまい、空回りしてしまいがちである。そのため、大人っぽい雪男に小さい頃から憧れを抱いている。燐との出会いがきっかけで、自分を鍛え直そうと思い、祓魔師になることを決意する。


あらすじ

主人公の奥村 燐と弟の雪男は養父である神父の獅郎に育てられ、修道院で暮らしていた。燐は短気で喧嘩っぱやく、よく問題を起こしていた。獅郎はそんな燐を厳しく叱りつつも、本当の親のように温かい目で見守っていた。

ある日、燐は喧嘩相手に悪魔が憑依していることに気づく。悪魔は人間が住む「物質界(アッシャー)」と悪魔が住む「虚無界(ゲヘナ)」を行き来し、人間に干渉、憑依していた。また、自分と雪男はサタンの実の子供であり、人間とのハーフということも知る。

ある日、獅郎はサタンに体を狙われ、憑依されてしまう。目的はサタンの血を色濃く継いでいる燐を、虚無界に連れて行くこと。燐を助けるため、獅郎は燐の悪魔の力を封印していた降魔剣「倶利伽羅」を燐に渡し、燐は本来の悪魔の力を取り戻す。

燐の青い炎の力により燐の連れ去りは回避できたが、サタンに憑依された獅郎は燐を守るため、自ら命を断ち、サタンを体から追い出す。

最愛の養父を亡くし悲しみにくれた燐は、父の墓前で父の旧友にして、正十字騎士団長であり祓魔師のメフィスト・フェレスと出会う。メフィスト・フェレスは危険人物である燐を、抹殺しようとする。しかし燐は父の仇であるサタンを討つため、祓魔師になることをメフィストに宣言する。

メフィストは燐に大変な興味を持ち、自らが学長を務める正十字学園に入学させる。そこには祓魔塾と言われる祓魔師を養成する教育機関が設けられていた。サタンの落胤と言われながら育てられた主人公・奥村 燐と兄を守りたいと思いながらも、兄と自分を比較し苦悩する雪男、そして同じ祓魔塾に通う仲間達が様々な葛藤と立ち向かいながらも、次々に襲いかかる悪魔達と激戦を広げる学園ファンタジーストーリー。


見どころ

燐がサタンの子供という事実に向き合いながら祓魔師として成長していく姿が一番の見所です。

最初は燐を遠巻きに見ていた祓魔塾の生徒達も、燐の裏表のない性格とサタンを倒すという思いに惹かれ、燐にとって掛け替えのない仲間になっていきます。

次々と出てくる魅力的な魔物達も必見です。敵として現れる恐ろしい魔物だけではなく、祓魔師が召喚して出てくる可愛らしい魔物など様々な魔物が出てきます。燐が使役する猫又の悪魔クロやしえみが使役する緑男の悪魔ニーちゃんが代表例です。

あまり恋愛色を強く出さない作品ですが、燐と雪男、しえみとの三角関係もかなり気になる内容になっています。しえみが天然なため中々発展しないのが少し玉にキズです。

今後の展開としては、今が燐と雪男出生の秘密、獅郎の過去にクローズアップした話が書かれているので、これまでの謎がどんどん解明され、見逃せなくなってきています。


感想

私がこの漫画を読み始めたきっかけが、本屋さんでキレイな絵の漫画の本がオススメで置かれており、3冊ぐらいジャケ買いしたのがきっかけです。それが「青の祓魔師」でした。

それぐらい人物の書き方と色の使い方が綺麗でした。内容も王道の少年漫画かなと思いきや、人間の心理描写が細かく書かれています。だからと言って重すぎず、ギャグもあり、アホみたいに巨大な魔物を主人公がかっこいい武器を使って倒す姿に感動したり、本当に魅力的な作品だと思います。

また、キャラの地元に関連して京都、島根、青森など史実に基づく魔物なども出てくるので、日本の妖怪が好きな人にもオススメです

できればまだまだ、長く続いて欲しい作品ですが色々明らかになってきているのでそろそろ最終章に突入するのかな?という印象です。ぜひ1巻から綺麗なイラストも楽しみつつ、青の祓魔師を様々な方に読んでいただきたいです。