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王宮ファンタジー「赤髪の白雪姫」

概要

漫画「赤髪の白雪姫」は「あきづき空太」による、王宮ファンタジーを描いた少女漫画。2006年より「LaLaDX」(白泉社)にて連載された後、「LaLa」に移籍。2019年9月に最新21巻が発売。2015年7月~9月、2016年1月~3月にそれぞれTOKYO MXにてテレビアニメが放送された。

登場人物紹介

白雪 (しらゆき)

「赤髪の白雪姫」の主人公。生まれつき赤い林檎のような美しい髪を持つ18歳の少女。その珍しい髪色をタンバルン王国の第一王子であるラジ王子に気に入られ、愛妾にされかかったことで国を出る。隣国クラリネス王国の第二王子ゼン・ウィスタリアに助けられた白雪は、彼の味方になるために、ゼンの国・クラリネスの首都ウィスタルにやってきた後、ウィスタル城の宮廷薬剤師となる。芯が強く、他人に決められた道ではなく、自立する道を選ぶ。

ゼン・ウィスタリア

通称「ゼン王子(ゼンおうじ)」。クラリネス王国の第二王子。城の外を自分の目で確かめることに重きをおいており、白雪とは森の中で出逢った。王子という立場故、暗殺に備えて身体を毒に慣らされていたり、親友だと思っていた者に命を狙われた過去をもつ。白雪との絆が深まっていく中で、やがて二人は想いを通じ合わせる。

オビ

当初は、白雪とゼン王子の間柄を引き裂こうとするための刺客であったが、ゼン王子の信頼を買い、部下となった。騎士として働き、白雪の護衛役を務める。剣術よりも武術を得意とし、雪道で歩数を数えるなど、高度な技術を有する。過去、胸に大きな傷を負う。巳早と犬猿の仲。料理が得意。白雪と行動をするにつれ、白雪に惹かれていく。

イザナ・ウィスタリア・クラリネス

通称「イザナ王子(イザナ王子)」。クラリネス王国の第一王子。政治に優れ、若き頃からその手腕を買われ、統治を行ってきた。ゼン王子が好意を寄せる白雪をよく思っておらず、タンバリン王国に帰るよう促したこともあったが、リリアスでの白雪の勤めを境に、徐々に見方を変えていく。その後即位し、クラリネス王国の国王となる。

リュウ

ウィスタル城の最年少薬剤師。10歳という若さで宮廷薬剤師になった天才的な頭脳を持ち、白雪と出会った頃は12歳。人見知りで、口数が少ない。集中すると周りが見えなくなってしまうまで没頭するタイプ。白雪の上司として、白雪と行動を共にする。白雪やリリアスの仲間たちと、謎の病の原因となった光る植物・オリンマリスの無毒化に挑み、見事成功を収める。

あらすじ

生まれつき赤い髪を持つ白雪は、その珍しさ故に、悪名高いタンバルン王国のラジ王子に気に入られ、愛妾にされかかったので国を出ることにした。たどり着いたその先で出会ったのは隣国のクラリネス王国の第二王子であるゼン。ゼンの国クラリネスの首都ウィスタルにやってきた白雪は宮廷薬剤師となり、ゼンの味方であろうとする。ゼンの側近や第一王子であるイザナ王子と向き合い、赤髪が故の困難に立ち向かう中で、白雪とゼンの絆はより強まり、やがて二人は想いを通じ合わせる。立場上、白雪がゼンの隣に立つことは許されない。白雪は、自分の力で自分の進むべき道を選択し、様々な困難を乗り越え、味方を増やしていく。ゼンの隣に立てる人間になるように、ゼンの名に恥じないように、宮廷薬剤師としても、1人の人間としても、旅をする中で成長していく姿が描かれる。「赤ってのは運命の色のことを言うんだろ」と言って白雪を認めたゼン王子との恋、側近のミツヒデ、キキ、オビとの切磋琢磨するやり取り、大きな壁でありゼン王子が尊敬するイザナ王子との関係、リュウとともに普及活動を行っているオリンマリスの行く末、その他愉快な仲間たちとの王宮ファンタジーが描かれる。

見どころ

芯が強く、たとえ相手が一国の王子であったとしても、忖度などせずゼンやクラリネス王国を守ろうとする白雪の行動は魅力的。どんなときも常にゼン王子の味方であることを考えて行動し、その信頼を得ていく姿、そして困難に立ち向かっていく姿、発せられる言葉の数々は胸に刺さるものがあります。一方、ゼン王子との恋愛模様にも注目。恋愛に関しては、立場の違いこそあれど、大切に思うからこそ、1つ1つゆっくり問題をゼン王子と一緒にクリアしていくところ、女性なら一度は憧れるようなシチュエーションがたくさんあるので、キュンキュンしながら読めること間違い無しです。もちろん、側近のミツヒデやキキ、オビらそれぞれの恋愛模様も見逃せません。王宮なので華やかな絵が多く、目がとても楽しめます。

感想

物語の1つ1つがとても丁寧に描かれていて読み進める手が止まりません。少女漫画ならではの白雪とゼン王子、白雪に惹かれながらも、白雪とゼン王子の恋を応援するオビのちょっとした三角関係は、切ないものもありますが、身分違いの恋でも着実に駒を進めていくので、応援したくなります。また、当初ミツヒデとキキがうまいことどうにかなるのかな、と思っていましたが、それぞれの道を歩むことになったのには驚きました。恋愛模様だけではなく、王宮ストーリーならではの争いも迫力があります。特に、ゼン王子が命を狙われたトウカとの決戦は、文字通り手に汗を握りました。この一戦を境に再認識される側近や仲間たちとの絆は涙なくして読めません。白雪の次の目標は、オリンマリスを広めることです。この困難にどう立ち向かうのか楽しみです。