推理小説が原作のふんわりとゆるやか古典部「氷菓」

概要

漫画「氷菓」は「タスクオーナ」による「推理小説」漫画。「2012」年より「月刊少年エース」にて連載開始。   全(既刊)「3」巻。「2012年にアニメ化全22話、2017年には山崎賢人主演で実写化。」

登場人物

折木 奉太郎

本作の主人公。 神山高校1年B組で古典部に所属する。 姉の命令で古典部に入部することになった苦労人。 劇中の常套句は 「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」 怠惰な性格ではあるが、能力は高く冷静沈着、うっかり本性を千反田えるに知られたことで事件にしばしば巻き込まれる。

千反田 える

本作のヒロイン。 神山高校1年A組で古典部員。 失踪した敬愛する叔父が神山高校古典部の部長であったことで古典部へ入部。 常套句でもある彼女の「わたし、気になります!」の言葉から奉太郎を事件に巻き込む。 容姿、頭脳を含めポテンシャルは高い。

福部 里志

神山高校1年D組で古典部員であるが、手芸部にも籍をおき、総務委員会もこなす。 さらに趣味はサイクリングで多忙を極めるも笑顔を絶やさない。 奉太郎の親友でもあり「データベースは結論を出せない」が常套句。 人当たりもよく知識もあるが推理は奉太郎に任せ、サポートにあたる。

伊原 摩耶花

神山高校1年・古典部に加え図書委員をこなしつつ漫画研究会にも所属する。 奉太郎とは小学生時代からの知り合いで小中学校9年間クラスが一緒だった。 里志に好意を寄せているのだが、里志にのらりくらりとかわされている。 いわゆる委員長キャラで可愛い容姿だが毒舌。

折木 供恵

奉太郎の姉で古典部OG。 奉太郎とは全く似ておらずアクティブ。 女子大生であるが、現在海外を気ままに放浪中。 国際郵便で廃部の危機にあった古典部を救うべく入部を命じた。 合気道に加えて逮捕術をマスターしている文武両道の才媛。 氷菓以外の古典部シリーズでも度々奉太郎を導くキーパーソン。

あらすじ

省エネ主義の主人公「折木奉太郎」のもとにインドのベナレスから国際郵便が届く。 それは神山高校の古典部に入り、廃部を阻止せよと言うものだった。 奉太郎は1人気ままに部室も占有できるしとお気軽な気分で部室に入ったところ、もう一人の古典部員「千反田える」と出会う。 そこで早くも第一の謎が発生し、奉太郎とえるは謎解きに迫る。 古典部に入学して1ヶ月、やることもなく時間を浪費するだけの状況を憂いたえるの提案で、文化祭で販売する文集の作成に取り組む。 そこで奉太郎は幼なじみで腐れ縁の伊原摩耶花から変わった出来事が図書館で起きていることを知る。 その後奉太郎はえるが古典部に入部した理由一身上の都合による叔父の失踪に迫っていくことになった。 その過程で過去の古典部の文集である『氷菓』の存在が一つの鍵になっていることを突き止める。 そこにはえるの叔父である「関谷純」が英雄として学校を去っていたと記載されていた。 真相に迫ろうとするものの、氷菓の創刊号だけが残されておらず、事件は暗礁に乗り上げた。 古典部が集まり推論をかわすなかで、奉太郎は33年前の事件を解き明かす。 だが「幼いえるが泣いた理由」は謎に包まれたままだった。 事件を氷菓に記載した「郡山養子」のもとを尋ねた古典部。 『はたして33年前の出来事の真実とは?関谷純の失踪、えるの涙の理由とは?全てが明かされる。』

見どころ

氷菓の見所はこの古典部のメンバーで物語が続いていくことです。 氷菓というタイトルにはなっていますが、実際は「神山高校の古典部」の物語です。 原作の「古典部シリーズ」の時系列が最初にあたる『氷菓』をタイトルに用いたと言えるでしょう。 これは漫画もアニメもそうで『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』『遠まわりする雛』と原作の古典部シリーズの小説の時系列通りに展開がされていきます。 この時系列ごとに漫画、アニメとも進みますから、原作ファンでも違和感なくすんなり入れるとともに、奉太郎やえるの成長を見ながら物語を楽しめるのが魅力。 推理小説が原作ではありますが、青春群像劇としてもふんわりとゆるやかに楽しめる作品集です。

感想

この古典部シリーズですが、まだ原作は続いていて『ふたりの距離の概算』で奉太郎達は二年生に進級しています。 人気のあるラノベで東海地方に在住の方はメディアミックスも多々目にする機会が多いでしょう。 アニメの続編も期待したいところではありますが、2019年の事件後まもないですから、京アニでの続編は厳しいかもしれません。 氷菓はえるの叔父の失踪の真実こそ、やるせない部分もありましたが、そこまでの推理小説部分に青春群像劇をバランスよく織り交ぜて話が構築されていくのが魅力でした。 原作、漫画、アニメどこから入っても楽しめるのが魅力です。 またアニメの舞台である飛騨高山は氷菓をはじめとした聖地巡礼を積極的に行っており、ガイドマップも作られていますので足を運んでみるのもいいでしょう。