【ネタバレ注意】ガンアクションの金字塔「ヨルムンガンド」あらすじ・見どころ・感想など

作品概要

『ヨルムンガンド』は、高橋慶太郎によるアクション漫画。『月刊サンデージェネックス(小学館)』にて2006年から2012年まで連載。全11巻。2012年4月〜6月にアニメ第1期が放送され、同年2012年10月〜12月に第2期が放送された。

登場人物紹介

ココ・へクマティアル

本作の主人公。プラチナブロンドの髪に薄い碧眼の20代前半の女性。海運の巨人と称されるフロイド・へクマティアルの御曹子であり、HCI社ヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門の現場担当の一翼を担う武器商人。相手が何者であろうと、有利な交渉に持ち込む精神力を持つ一方で、常に命を狙われるストレスから護衛なしでは屋外に出れないという一面も持つ。

ヨナ(ジョナサン・マル)

本作の主人公。無口な元少年兵。褐色の肌に銀髪の西アジア系の少年。ココやメンバーからは「ヨナ」「ヨナ坊」の愛称で呼ばれ、可愛がられている。山岳兵出身で、部隊の中で孤児達の世話役だったが、HCLI社員ガスードと部隊の副司令官によって孤児の一人を殺されたことに激昂し、たった一人で部隊を壊滅させる。その後、キャスパー(ココの実兄)とその私兵達に拘束され、要人警護のプロとしてココ分隊に入隊する。

レーム

ココ分隊のリーダー格である壮年の白人男性。元デルタフォース。普段は自らを「超神兵」と称するなど、分隊の中でも人一倍ひょうきんな性格だが、それに見合うだけの実力を持ち、一度戦闘となると長年の経験に裏打ちされた冷徹さと熟練された戦闘力を発揮する。

あらすじ

両親を戦争で失い、兵器や武器に関する一切を憎む主人公ヨナは、神の悪戯か、若き武器商人ココ・へクマティアルと彼女の部下である「ひと癖もふた癖もあるが優秀な私兵8人」と世界各地を旅することになる。

世界平和のために武器を売るというココと、武器を憎みながらも武器に頼るヨナ。矛盾をはらむ二人は今日も危険なビジネスのため、世界各国を飛び回り、武器を売り、命を狙われたり敵を排除しながら物語はココが密かに進める「ある計画」に向けて進んでいく。

ココの描く「ヨルムンガンド計画」とは、人間が利用する空を強制的に利用できなくすることで、空・海・陸の順に物流の完全制御による「強制的世界平和」を作り出すことだった。

HCLI社が打ち上げる126個の衛星と、ドクター・マイアミが開発した量子コンピュータを使い、一般航空・軍事航空・ミサイルなどを制御下に置いていくココ。ココとの意見の違いから部隊を離脱したヨナは、ココの実兄・キャスパーの元で働くことになる。情報の世界で神となっていくココ。

2年後、ヨルムンガンド2つ目の頭脳が打ち上げられ、ヨナはココの元に戻る決意をする。ヨルムンガンド計画が発動されるところで物語は終了する。

見どころ

日本だけでなく海外でも高い人気を誇るガンアクション漫画の金字塔。キャラクター達の軽快な掛け合いや、いざ作戦が始まった時の全員が頼りになる安心と爽快感。
主人公勢が「善」とは言い切れないものの、グレーなキャラがクロを蹴散らしていく姿は読んでいて清々します。

独特のユーモアがあり、サブキャラに到るまで魅力的な登場人物ばかりです。

アクションだけでなく頭脳戦なのところも見所の一つ。CIAの腹の探り合いや心理戦は手に汗握る展開で、ついつい時間を忘れて読みふけってしまいます。

絵の癖は強目ですが、骨太なストーリーと海外ドラマのような軽妙なテンポで進む物語は、気づけばどっぷり物語に入り込んでしまう不思議な魅力に溢れた漫画です。

感想

漫画、アニメともにガンアクション好きには、必ず読んでもらいたい漫画です。

本作はココが「ヨルムンガンド」の発動スイッチを押したところでフィナーレを迎え、彼女の予測がどうなったのかは描かれていません。

個人的な感想をいえばかなり怪しい話だなとは思いますが、彼女の仲間はその予測、あるいはココの理想や彼女自身に共感し、最後まで彼女の側にいました。でもヨナだけは彼女のその計画に疑問を持ち、離反した。ヨナはまだこの世界を信じたいんだなと思ったときに、本作の主人公が二人いる意味が胸にストンと降りてきました。ココとヨナの一番近くて一番遠い、そんな関係性がこの漫画に惹きつけられる魅力の一つなのかなと思います。

とはいえ、私はレームさんが大好きなので(スナイパーには昔から弱い)、ぜひレーム信者が増えてくれればと思います。