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三浦健太郎の画力が凄まじい「ベルセルク」登場人物やあらすじ・見どころなど紹介

作品概要

漫画「ベルセルクは三浦建太郎によるダークファンタジー漫画。1989年「アニマルハウス」から連載され、現在は「ヤングアニマル」で連載中。既刊40巻。1997年「剣風伝奇ベルセルク」としてアニメ化。さらに2012年には劇場版アニメ3部作が公開。さらに2016年、2017年に2クールに渡ってアニメ化された。

キャラクター紹介

ガッツ

通称「黒い剣士」。武器は大剣ドラゴンころし、ボウガン、大砲仕込みの鉄の義手、投げナイフなど。精神力・筋力・持久力に優れた24歳。躯の下で生まれたところを傭兵に拾われ、少年時代から戦士として各地を転々とする。グリフィスに見いだされ「鷹の団」に入団後、切り込み隊長として活躍。グリフィスと親友になる。同じ隊のキャスカとは敵対関係であったが、100人斬りの戦果をあげ双方に恋心が芽生え、結ばれる。グリフィスの起こした「蝕」によってキャスカ以外の全てと自分の片目、腕を無くす。その後はグリフィスへの復讐とキャスカの正気を取り戻すための旅に出た。


パック

風の妖精。初回から登場しガッツの旅をサポートする。お気楽モノでお調子者。遮光性と俊敏性に優れている。羽根の鱗粉に傷を治す効果があり何度かガッツのピンチを救った。「蝕」の後のガッツに出会い、ガッツの道具袋を自宅としている。キャスカの正気を取り戻す事の出来る「妖精島」への案内人となり、現在もガッツ一行と共に旅を続けている。戦いの時には閃光を放ち目くらましでかく乱などを行う。15センチほどの小さい身体のエルフ。呪物「ベヘリッド」を大切にしており、自分のものと称している。


グリフィス

「鷹の団」団長であり、現在はミッドランドの正式な騎士団長。武器はサーベル。銀色の髪に薄い青の目を持つ美男子。精神力・社交性・知力が高く戦略家としての側面も持つ。ガッツを気に入り自ら「鷹の団」に引き入れ、やがて親友となる。自らの野望のためには手段を選ばず、ミッドランド王女シャルロットと恋仲に。狂乱したミッドランド王の責め苦にあい、美貌を潰され夢を断たれた時に「深紅のベヘリッド」により「蝕」を起こす。神の存在に近い「ゴッドハンド」の欲望の天使フェムトとして転生し、「鷹の団」全員を生贄として捧げた。その後受肉し、世界を魔獣の跋扈する世に変えた。強いカリスマ性を持つ。


キャスカ

「鷹の団」の紅一点女団長。武器は剣。俊敏性が高く幼児退行した後も行方をくらますなど、運動能力が高い。少女の頃、グリフィスに助けられて以来「鷹の団」で戦いを学んできた。ガッツ入隊後は変貌するグリフィスにいち早く気づき、ガッツに嫉妬する。しかしガッツが身を挺してキャスカを助けたことから次第に思いに変化が現れ、恋心を抱くようになった。「蝕」によってガッツの目の前でグリフィスや魔物たちに蹂躙されたため、精神が崩壊。幼児退行現象を起こす。このため、ガッツは彼女を連れて「妖精島」に。ガッツ以外の人間の前ではキャスカとして普通にふるまえるようになった。しかしトラウマは消えていない。


シールケ

魔女見習い、現在は魔女。ガッツの道中の「霊樹の森」で出会い、トロール退治を手伝うよう師匠フローラから言い渡される。精神力と知力に優れており、あらゆる魔法を使いこなす事が出来るが発動までに時間がかかる。ガッツが「鎧」を身につけたときには正気を保つためにシールケ自身が幽体離脱をし、ガッツを導いている。まだ13歳の少女だが、魔法についてのさまざまな知識を保有しているためか大人びている。炎の車輪、ゴーレム、水底の貴婦人や腐れ根の主の使役、テレパシーや結界などの術を使用して旅をサポートする。


あらすじ

黒い剣士と呼ばれる男がいた。彼は各地を放浪し、魔物である使徒を巨大な剣「ドラゴンころし」で殺していく。剣士の名前はガッツ。彼は「使徒」を狩り、それらを導く存在のゴッドハンドを探している。神に近い存在と呼ばれる「ゴッドハンド」には元親友・グリフィスがいた。彼はフェムトという名前で転生したが、転生のために自らの「鷹の団」全員を滅ぼしたのだった。ガッツは自分の右目と左腕、そして仲間たちを奪ったグリフィスに復讐を誓う。

旅の中でガッツは妖精パックや魔女シールケと出会い、「鷹の団」以外の仲間を徐々に取り戻していく。そして「蝕」にて記憶を失い幼児退行を引き起こした恋人であり戦士のキャスカを救うため、ガッツはパックの導きにより「妖精島」を目指すことに。

道中元敵軍のファルネーゼやセルピコ、少年剣士を目指すイシ泥などの新たな仲間を迎え、海へ向かう。一方、グリフィスはこの世界を幻想と現実が混じり合う世界に変貌させ、魔物を世界に溢れさせた。

その中で彼の「新生・鷹の団」だけが正義を掲げ、人間の生活を続けられるミッドランドに「鷹の都」をを創り上げる。彼は当初の目的通り王妃シャルロットの婚約者となり、より巨大なものへと変貌していく。それは神に近い存在であった。

ガッツ一行は苦労して無事「妖精島」にたどりつく。そして「妖精王」と出会い、ガッツ一行の中で魔法の使えるシールケとファルネーゼが、キャスカの精神世界に入っていった。彼女たちの活躍によって、キャスカは数年ぶりに正気を取り戻す。しかしガッツの前だけでは、トラウマが蘇りまともな会話が続けられないのだった。ガッツは今後、グリフィスへの復讐へと歩みを進める。


見どころ

作者・三浦建太郎の高い画力によって表現される、迫力のある戦闘シーン、そして幻想王国や魔獣たちが見所です。幻想の生き物をまるでそこにいるかのように描く力、そして手に汗握るバトルはベルセルクの最も支持されている部分といえます。

加えて、ガッツ・グリフィス・キャスカが軸となって展開される人間模様も魅力のひとつ。「どうして、失ったあとに気づくんだろう」と悩んだり、「もう二度と失わない」と心に決める。それはガッツはもちろんですが、その旅に同行する仲間たちも同じです。それぞれ心に深い傷や、悲しい過去や触れられたくない記憶があります。「ベルセルク」ではそれらを余すところなく描き、人間の心の弱さや同時に強さ、希望も描いているのです。

近年はペンからデジタルでの絵に移行したとの作者のコメントもあり、より絵柄は精密なものに、そしてストーリーは佳境に迫りつつあります。現在のところ、グリフィスはほぼ神に等しい力があるためガッツが勝利できる道は見つかりません。キャスカが復帰したとはいえ、彼は自分自身の復讐を遂げることが出来るのでしょうか。ガッツ自身の生命の行方も気になります。


感想

こんなに激しく、切ない復讐物語があるだろうか。まず主人公ガッツの寂しさと、それゆえに身につけた力に感動します。

画力が最も支持される「ベルセルク」ですが、そのネームも素晴らしいものがたくさんあります。三浦建太郎自身のインタビューによると、自分自身の高校時代などの友人関係を参考にしながら描いたそうですが、複雑な思い、感情、悲しみが伝わってくる台詞、展開、場面はどれをとっても素晴らしいものです。

作品の発行ペースが遅いのが玉に瑕ですが、海外にもファンが多く北欧のヘビメタバンドがベルセルクのためのアルバムを作るほどの人気があります。全40巻の中には大勢のキャラクターと敵が出て来ますが、それぞれに過去や守りたいもの、名誉、欲望があり敵と味方に別れ戦うのです。これほど迫力のあるダークな漫画を描ける人はそうそういないでしょう。