絶望のその先の果てしない恐怖「ドラゴンヘッド」

概要

「ドラゴンヘッド」は1994年頃にヤングマガジンにて掲載されていた漫画で。 その異質な話の展開で話題になり、掲載されてから約7年後に実写映画化される事になります。 当時連載された後に阪神大震災が起こる事により、注目を浴びる事に。 修学旅行の途中で不幸な事件に生徒達が巻き込まれそこから抜け出す話になります。

青木輝ーテル

登場人物紹介

物語の主人公で中学生。 ごく一般的な中学生だが修羅場を切り抜ける為に必要な勇気を持っている。 序盤で大地震が発生し意識を失うが、その後アコやノブオに出会い、閉じ込められたトンネル内で生活する術や換気口を探索し。普通なら怖気づいて動けなくなるのを振り切り、積極的に動き出す。 きっと彼がいなければアコは脱出できなかっただろう。

瀬戸憧子ーアコ

テルと同じ新幹線に乗っている同級生。 睡眠障害を患っている。過去に交通事故で両親を失った過去を持っているせいか 少し寂しがり屋な一面も見られる。 傷を負って倒れていたところをテルに助けられる。

高橋ノブオーノブ

テルと同じバスに乗っていた中学生。 元々いじめられっ子なせいか、挙動不審で気弱な面が多く見られる。 地震発生時、たまたまトイレの中にいた為一名をとりとめた。 多分作中一番精神的に弱い。サイコパス。

美川ーよしかわ

少年少女グループの女性リーダー テルとアコと出会い、傷の手当てをしれくれた。 自分のグループのメンバーの宗教的な活動を否定していたが、 それでも行動を共にしている。 別れ際にガスマスクなどをくれた。

仁村ーにむら

自衛隊員の一人で非常に刹那的で歪んだ性格をしている。 いつも世の中を斜めに見ている変わり者。 仲間と共にヘリで富士方面へ向かっていたが彼のヘリだけ墜落して後にテルと 出会う事になるのだが・・・・。

岩田ーいわた

あらすじ

ある日修学旅行の帰りで新幹線の中で同級生達と和気あいあいとしていたテルはバスが トンネルに入った瞬間、目の前が真っ暗になり気を失ってしまいます。 目を覚ますと、新幹線の中は真っ暗で映画やテレビでしか見た事がないような景色になっていた。 さっきまで楽しそうに談笑していた担任の教師や同級生達が無惨な姿で亡くなっていました。 とにかく状況の確認と生存者が誰かいないかを確認する為テルは動き始めます。 悲惨な死体の山をくぐり抜けて進んでいくと一人だけ意識のある女子生徒を見つけます。 彼女を背負い、進んでいくともう一人の生存者のノブオを見つけます。 喉が渇き、空腹状態だった三人は新幹線の中でなんとか水と食料を見つけ、アコが回復するのを待ちます。 新幹線の外に出てみるとそこは真っ暗なトンネルの中。 地震の影響でトンネルはボロボロで脱出を試みようと出口まで行くが通路が瓦礫で塞がれていました。 誰かがきっと助けてくれると信じ、救助が来るのを待つ事にするのですが、3日経っても救助は来ず、 暗闇の中にずっと閉じ込められ三人は精神的に不安定になっていきます。 そして三人の内の一人のノブがその不安に押し潰され、とうとう奇怪な行動に出てしまいます。 果たして三人はトンネルからどうやって脱出するのか・・・・。

見どころ

これは大体の方がここだと言うと思うのですが、やはり狂ったノブオ君の行動でしょう。 助けが来ずに一生閉じ込められたままだと思った彼は、裂けた口に睨み付ける目に 人が嫌悪感を抱くような紋様のまるで悪魔のような顔で姿を現します。 しかもアコには人としてやってはいけないような事も・・・・。 テルと殺し合う事になるのですが、中学生と中学生が殺し合うという絵図は読んでる側が神経を削る事 になります。そしてその戦いの終わり方が人間の本質を一番表現しています。

感想

当時私は高校生だったのですが私自身内容が重いので少し精神をやられそうになりました。 まあそれが授業中だったので先生に怒られて逆に立ち直りましたが・・・(笑) この漫画は話の進行よりもその世界観に衝撃を受けると思います。 読者の不安を掻き立てるような描写に言動。挙句にはノブオがおかしくなってしまい、まるで 夢に出てきそうな奇怪なメイクでテルと殺し合うという人間が追い詰められたら最終的にどうなるか というのが鮮明に描かれています。作者が災害が起こったらこうなるんだぞと何の覚悟も持ってない 私にスパルタで教えてくれてる気分でした。なのでこの漫画を読む方はそれ相応の覚悟を持って読んで 頂きたいです。