社会問題や恋愛、様々な要素が織り込まれた作品「こどものおもちゃ」

概要

漫画「こどものおもちゃ」は小花美穂による少女漫画。
1994年8月号から1998年11月号、りぼんにて連載。全10巻。
その他情報としては、テレビ東京系列で、1996年4月から1998年3月まで、アニメ放映された。

登場人物紹介

倉田紗南(くらたさな)

神保小学校6年生。劇団こまわりに所属する子役タレントで、やんまさん司会のバライティ番組等に出演し、その頭の回転の速さで共演者はもちろんお茶の間の人気者。のちに、女優としても活動していく。

羽山秋人(はやまあきと)

主人公倉田紗南の同級生。学級崩壊の中心人物。
紗南と初めは敵対していたが、ダメなものはダメだと踏み込んでくる紗南と徐々に仲良くなっていき、マブダチに、のちに彼氏になる。
空手が得意。

松井風花(まついふうか)

主人公倉田紗南の中学時代の親友。
親友となるきっかけはトイレでの出会い。これがホントのクサイ仲、が2人の合言葉。幼い頃、秋人と同じ幼稚園に通い、ファーストキスを奪われたことを根に持っている。

あらすじ

こどものおもちゃは、当時社会現象になっていた学級崩壊のストーリーから始まります。羽山秋人は、サル山のボス猿として、他のクラスメイトを支配し、担任の弱みを握り、授業を妨害します。
一方で、テレビ収録で忙しい倉田紗南は、そんな状況を初めのうちは我慢していますが、羽山秋人へ勝負を挑み、授業を妨害すること、先生を脅すことなどをやめるよう、約束させます。
その勝負は、なんと羽山秋人の勝利。しかし、倉田紗南と関わりあうことで、調子が狂いだす羽山秋人は、少しずつ更生していきます。
お節介な程に正義感の強い倉田紗南は、羽山秋人の家庭の事情にまで首を突っ込み、家庭環境までも改善していき、2人はマブダチになっていきます。無事に小学校を卒業し、中学に上がると、松井風花と出会い、ノリの良い倉田紗南と松井風花は親友になります。
しかし、倉田紗南と、同じく子役タレントとして活躍する加村直澄とが恋人関係なのではないかと、誤解した羽山秋人が落ち込むことで、倉田紗南と松井風花の関係が少しずつ変わっていきます。
ファーストキスを奪われた責任を取るような形で一時的に羽山秋人と松井風花は付き合い出しますが、なにかギクシャクしてしまい、結局別れてしまいます。その間、ロケに出ていた倉田紗南は羽山秋人への恋心を自覚し、、、というお話です。

見どころ

見どころは、前半部分では、学級崩壊を企てる羽山秋人の家庭環境の部分です。彼が生まれるときに、母親は亡くなっているため、家には父と姉だけ。父は仕事に邁進して、家庭のことは姉任せ。姉は、母親が羽山秋人のせいで死んだ、母親を殺した悪魔の子!と冷たい仕打ちを受けていた。羽山秋人との勝負に負けた倉田紗南は、なにか弱点を見つけようと、羽山秋人の周囲に張り込み、この家庭環境を知ってしまう。倉田紗南のお節介モードが発動し、その演技力と、ズバズバと言う性格で、羽山家の父と姉の態度まで変えてしまうところです。
後半部分では、倉田紗南と羽山秋人の恋愛についても描かれますが、そんな幸せは長く続かず、ある事件に羽山秋人が巻き込まれ、怪我をするところです。

感想

小学生の時にドンピシャで読んでいましたし、アニメも毎週しっかり見ていました。
こどもの頃は、秋人の態度カッコイイ!とか思っていましたが、大人になってから読み返すと、離婚して娘に父親の顔を見せてあげない事で、もしかしたらこんなこどもになってしまうかも…という怖さも感じました。
別の漫画で、倉田紗南と羽山秋人のその後も描かれて行くのですが、なんだかんだでなんとか幸せにやっていく2人を見ると、がんばろう!!と思います。
ちなみに倉田紗南の母である倉田実沙子は、毎回頭が変なので、とっても面白いのですが、ポイント、ポイントでいいことを言うので、さすが小説家だなと思います。今の小学生、自分の娘にも是非読んで貰いたい作品です。