概要
「フルーツバスケット」は「花とゆめ」にて掲載されていた人気漫画です。 掲載期間は1998年から2006年です。 2001年にはアニメ化もされ、2015年には「マンガpark」にて「another」が 連載中です。
登場人物
本田 透
特徴:黒髪 赤いリボン 身長:156.7cm 幼き頃に母親から十二支の成り立ちの話をされた時に猫がなりそこねた事に対し、 「猫が可哀想だから猫になりたい」と思っていた。 その幼き頃に父を亡くし、挙句に高校生になってから母も事故で亡くなってしまう。 天然で少し抜けているが、優しき少女。
草摩由紀
特徴:グレーの髪に瞳 身長:170.5cm 鼠の物の怪が憑いている。 十二支の頂点であり、神に近いとされている。 性別は男だが、男とは思えない程の綺麗な顔立ちにコンプレックスを持っている。 少し近寄りがたい雰囲気で夾とは犬猿の仲である。」
草摩 夾
特徴:オレンジ色の髪 身長:171.3cm 猫の怪が憑いている。 なかなかの短気で由希に喧嘩を吹っかけてそのまま居候している。 自分の髪の色に対してコンプレックスを感じており、それを馬鹿にされるとなりふり構わず、 暴力を振るっていた。 透とは最初は仲が悪かったが、後に親しくなる。
草摩 紫呉
特徴:グレーの髪 グレーの瞳 身長:178cm 犬の怪が憑いている。 透達が居候している家の家主。 普段はおちゃらけてばかりいるが、根は真面目常識者である為で透や夾を諭したりもする。 基本的には年長者という事もあり保護者的存在であるが時には冷徹な一面も。
草摩 楽羅
亥の怪が憑いている。透達の二つ年上。感情が高ぶると突然、狂暴になる。黙っていれば可憐な少女である。幼い頃、初めて夾に声をかけた時には、猫憑きに比べれば自分が物の怪憑きとして生まれた不幸なんて大したことじゃないと感じられるから傍にいるという歪んだ感情を持っていた。
草摩 紅葉
卯の卦が憑いている。ドイツ人の母と、日本人の父をもつ。ドイツ語と日本語を話す。やや子供っぽい言動が目立つが、人の心の痛みには敏感で、ここぞという時には空気も読める。
夢はバイオリン弾き。モモという名の妹がおり、とても愛しく思っている。母は生まれた紅葉が兎の姿に変わったことを受け入れられず精神を病んだため、記憶を隠蔽された
草摩 はとり
辰の卦が憑いている。草摩家専属の医者。記憶の隠蔽もはとりの仕事。
はとりがまだ今より少し若い頃、佳菜という助手がいた。いつしか佳菜とは恋仲となり、彼女との結婚を認めてもらうため慊人に報告しに行ったが、慊人に暴力を振るわれ左眼の視力をほぼ失う。
草摩 潑春
丑の卦が憑いている。透達より一つ年下の中学三年生。後に同じ高校へ入学してくる。アクセサリーをつけ、派手だが、移動時は格好良くママチャリを乗り回す。普段は礼儀正しく大人っぽい印象を与えるが、一度切れると人格が真逆に変わる。身内ではブラック春と言われている。ブラック化すると楽羅のように夾限定ではなく、誰かれ構わず絡みだすので達が悪い。
一度、何も話さなくなった時の由希に似ているという理由から、杞紗を気にかけている。同じ十二支の依鈴とは恋仲。
草摩 綾女
巳の卦が憑いている。見た目は麗しいが男性。由希とは十歳年が離れた実の兄。家庭菜園から帰る道すがら、寒さで変身してしまった綾女が透の服に入り込んでくるという最悪な出会いを果たす。
破天荒な性格であるにも関わらず、学生時代は生徒会長をしていた。副会長のはとりはかなりの気苦労を強いられた様子。基本、誰の言うことも聞かないが唯一はとりの言葉だけは素直に受け入れる。
草摩 杞紗
寅の卦が憑いている。人見知りで臆病。家を飛び出し雨の中弱って子虎になっていたところを潑春が見つけて保護した。十二支特有の髪と瞳の色のせいでいじめに合い、言葉を発せなくなった。虎の姿の時は都合が悪くなると噛みつく癖がある。
草摩 燈路
未の卦が憑いている。杞紗に淡い気持ちを寄せているが、透が現れてからはそちらにべったりなため、透のことをあまり快く思っていない。十二支の中で最年少の十二歳。
過去に杞紗が好きだということを慊人に話したことで、杞紗は慊人に全治二週間の傷を負わされることになった。このような結果になったことを悔いて、杞紗と距離を置くようになったものの、常に彼女のことを心配して見守っていた。
草摩 利津
申の卦が憑いている。気弱な性格で、ちょっとしたことで取り乱し謝り倒す。脇をプッシュすると途端に大人しくなる。常時振袖を着用。運動も勉強も人並み以上にしないと追いつけず、謝ってばかりいた両親を見てきたことで自信を極端に喪失している。女装をしていると少し落ち着くことが分かってからは、常に女装をするようになった。自分とは対極で自信に満ち溢れている綾女を、綾兄さんと慕っている。
草摩 依鈴
午の卦が憑いている。避暑地の別荘に遊びに来た透は、体力を消耗し馬に変身してしまった依鈴と出会う。透ははとりを呼ぼうとするが、誰も呼ぶなと啖呵を切ってその場を後にする。両親に虐待されながらも、いつか愛してもらえると耐えてきた。しかし結局、道端で倒れているところを潑春や籍真に助けられ、虐待の事実がばれてしまう。自宅には戻れなくなり、楽羅の家に引き取られたが居場所はなく、頻繁に会いに来てくれる潑春だけが心の支えだった。
草摩 紅野
元酉の卦が憑いている。十二支の中で一番最初に呪いが解けた。その事実を隠すため、慊人は常に自分の傍に紅野を置くようになった。また、紅野自身も一人だけ呪いが解けてしまった引け目や、幼い頃から不憫な思いをしてきた慊人への同情心もあり逆らわずにいる。黙っているとクールな印象だが、透に負けず劣らず天然な部分がある。
本田今日子
特徴:金髪のショートボブ 身長:不明 本田透の母親。 人と打ち解けず寄せ付けずに育ったが、本当は寂しがり屋。 事故で亡くなっているが、透の他にも過去に夾や由希とも接点があり先々で話の中に出てくる事になる。
あらすじ
事故で母親を亡くした高校生の本田透は祖父の家が改築中で住む所がないので毎日テントを張りその中で暮らしていた。 しかしいつもテントを張っていた場所は格式の高い草摩家の所有地だった。 ある日のバイト帰りに草摩分家の草摩由希と草摩紫呉にテントの事がばれ、改築が終われば出て行く事を伝えるが、 その直後、今までの無理がたたり高熱で倒れてしまう。 しかもテントを張っていた場所は崖で崩れてしまい、完全に帰る場所を失ってしまい透は落ち込んでしまう。 それから少しして透が荷物を掘り出してきてくれて言う。 「汚い家だし男しかいないけど、丁度二階に部屋が二つ空いてるし。改築が終わるまでこの家にいればいいよ」。 透は反対するのだが、家主の紫呉も掃除や料理をしてくれるなら自分は大歓迎だと言ってくれている。 二人からの温かすぎるくらいの愛情を受け二階の部屋でその愛情を噛み締めていると突如、 二階の屋根を突き破ってオレンジ色の髪の男が落ちてきた。 しかもそのオレンジ色の男はいきなり由希に何故か勝負を挑んできたのだ。 男が由希に飛び掛ろうとしたところを透が止めようとする、が透は足を滑らしその男に抱きついてしまう。 するとその男は「猫」の姿になっていたのだ・・・・。
見どころ
この漫画の見所としてはまず、 夾の秘密 、透の母親の最後 といった所がでてきます。 十二支なのに13人いるのが猫が入っておりそれに憑かれている人間が「夾」です。 猫は本来、草摩家からは疎まれるべき存在であるからか、夾は人と深く接さない。 しかも猫にはもう一つの異形の姿がありその姿が透に見られてしまいます。 軽蔑されると思った「夾」はそれを恐れるのですが、透はその姿を受け入れてくれます。 それから今まで心を開かなかった「夾」は透には心を開くようになります。 そして事故に遭う訳ですが、車に跳ねられた後、薄れ行く意識の中でその現場に「夾」がいる事に気付きます。 なんとか力を振り絞って「・・・許さないから。」 その言葉を「夾」は勘違いしてしまうのですが、この言葉は 【お願い あたしの事忘れててもあの子に会ったらどうか思い出して 次にあの子が道に迷った時は今度こそみつけだしてあげて どうか一度きりだっていい ツケ払ってくれなきゃ 許さないから……】 という意味だったのです。 皮肉にもこの話は、最後の最後で今日子の願いが叶うという結末がこの作品に深みを与えてくれているのだと思います。
感想
女性からしたらこんな贅沢な漫画は無いと思います。 草摩家とは代々イケメンしかいないという設定になっており、個性豊か。 しかもお金持ちときたら行かない訳がない。 それからこの作品は教養にもとても良いと思います。 その中でも特に感じのは母の強さです。 本田透は酷い家庭で育ち、彼氏が出来て不良をやめようと仲間に打ち明けると、その仲間にボコボコに殴られ、 結婚する事になってからも、元不良という事で夫側の親戚から疎まれたりなど、散々な人生を送っています。 そんな中でもめげずにひたすら耐えていつか神様が幸福な人生をプレゼントしてくれる事を願って努力し続けて、 最後に事故に遭っても自分の死よりも娘の心配を優先するという理想の母親像だと感じました。