作品概要
漫画「鬼畜島」は「外薗昌也」による大人気ホラー漫画である。2013年から竹書房のウェブコミックサイトである「WEBコミックマンガ」で連載がスタートした。そして2019年より連載先をLINEマンガへ移行した。単行本に関しては竹書房にて9巻、LINEコミックスにて10巻が刊行されている。
M大学廃墟研究サークル ・登場人物
高久(たかひさ)
本作品の主人公でM大学の学生で、廃墟研究サークルのメンバーである。同じ大学の友香のことが好きで入部したのだが、その友香には同サークル内に彼氏がいるということを知ってからやるせない日々を送っていた。
上原友香(うえはらゆか)
高久と同じM大学の学生で廃墟研究サークルのメンバーで、 高久を廃墟研究サークルに勧誘した張本人。 同サークルのメンバーである東山の恋人である。また、高久らと島を探索中に義一に拉致されて監禁される。思いを寄せる東山への強い執着がみられる。
飯野(いいの)
M大学廃墟研究サークルの部長で、体型は太め、性格は臆病。鬼畜島で多くの怪我を負いながら生きながらえていたが、最終的には空腹に耐えきれなくなった上原に食べられてしまった。
藤井(ふじい)
M大学廃墟研究サークルのメンバーで、大人びた風貌を持ち、性格は臆病だが狡猾。東山と体の関係を持つ。変貌した東山により頭部を潰されて死亡。
倉木(くらき)
M大学廃墟研究サークルのメンバーで、メガネをかけた一見おとなしそうな女性。しかし性格は物怖じしない強気な性格を持つ。彼女も東山と体の関係を持つ女性の一人。化物になり果てた菊池島島民により斧で顔面を打ち砕かれ瀕死となる。死の直前に自分が東山と男女関係にあることをうれしそうに暴露するが、同様に男女関係にあり嫉妬に狂った藤井により殺されてしまう。
鬼畜一家 ・登場人物
義一(かずよし)
鬼畜島の長。魔石の影響で超人的な肉体を持っている。しかし自分自身ではうまく筋力を制御することができない。
カオル
鬼畜一家の長男。豚の仮面をかぶった大男。精神的には幼く、自分の血を見る卒倒してしまったり、銃声や幽霊を恐れるなど臆病な一面もみられる。殺戮の際にはチェーンソーや金づち、石などを使用する。
マリ
鬼畜一家の長女でカオルの姉。一家一番のサディストで、お気に入りの顔の皮を剥ぐ事と、男性を拷問する事が趣味。元々は高久たちと敵対していたが、魔石の影響により変貌した高久を男性として意識するようになる。
サトル
鬼畜一家の次男。まぶたを縫いつけられた両目に制服・ランドセルという風貌。魔石の影響により、人の思考を読むことができる特殊能力をもつ。
あらすじ
M大学にある廃墟研究サークルのメンバーが廃墟を研究するために廃墟を求めて日本地図に載っていない「菊池島」という場所に行き着いた。そしてたどり着くと豚の頭を被った異彩を放つ大男が現れる。その大男に友香の恋人である東山が金づちで頭部を滅多打ちにあい、連れ去られてしまう。そして島に来るのに乗ってきたクルーザーは座礁に転覆してしまったため、そのまま菊地島に取り残されてしまう。そこから殺人鬼の住まう島での生活が始まってしまうのだが、内容的には現実離れした展開が繰り広げられるのである。胴体がバラバラになっても生きていたり、巨大な動物や怪物化した人間など現実ではありえない事象が起こっていた。また、魔石というものが物語の途中で出てくるが、この魔石は人間や動物を超人にしたり、怪物にしたりすることができる。この魔石も物語の中で重要なファクターである。こうした現実ではありえないことが起こったりする奇想天外な物語であるがホラー漫画としてのクオリティは非常に高く、重厚な物語となっている。
見どころ
本作品はかなりカオスな内容となっています。非常に刺激の強いシーンやグロいシーンも多々あるので苦手な人は少し抵抗があるかもしれないません。
しかし鬼畜一家による殺戮シーンだけではなく、鬼畜一家だけに共有される家族愛も作中で多くちりばめられています。鬼畜一家の起こす行動は、理解しがたい残虐な行為でありながら、そこには純粋な家族愛があり、むしろ島の外部からきた人間たちの邪な心が浮き彫りになるという不思議な現象が起こります。
感想
本作品は前提条件としてホラーやグロに抵抗のある人には少しオススメしづらいです。しかしながら読み進めるにつれて、本作を読み始めた頃に抱く作品に対するイメージがどんどん変化していく事に気づきます。当初は鬼畜一家への恐怖しかなかったものが、家族の歴史や愛情を知るにつれ、また違った視点でのとらえ方に変化していきます。また人間の汚い心を描いたシーンも多くあり、それぞれの正義がぶつかり合うような作品となっております。是非一読してみてほしい作品です!