「いっぺん死んでみる?」依頼人の怨みをもって裁きを下す「地獄少女」

作品概要

漫画「地獄少女」は、永遠幸さんによるホラー漫画です。2005年よりなかよしで連載が開始され、2008年まで続きました。その後、「新地獄少女」や「地獄少女R」などと名前を変えて作品は続き、2013年で連載終了しています。

登場人物紹介

閻魔あい

本作の主人公。セーラー服を着た、長髪の少女です。「地獄通信」と呼ばれるサイトにアクセスした依頼人の怨みに共鳴して、依頼を遂行します。当初はあまり感情を出すことはありませんでしたが、話が進むにつれて、徐々に感情が出るようになりました。

輪入道

あいの使い魔の1人。三藁の中で最も経験豊富なリーダー的な存在です。正体は車輪の形をした妖怪で、怪力を利用してトラックを止めたりなど、力仕事をこなします。女性に甘く、強く感情移入してしまうことがあります。

一目連

あいの使い魔の1人。ナルシストで、ピアスをしていたりする好青年風の人物として描かれています。依頼人や怨みを晴らすターゲットの情報収集などを主な役割としています。三藁やあいのことを家族同様に思っていて、大切にしています。

骨女

三藁の1人。正体は骸骨で、ナースやOLなどに変装して、様々な場所に忍び込んだりします。また、男性を誘惑したりなどする役割も担っています。その他の三藁同様、あい達を家族同様に思い、大切にしています。

あらすじ

基本的には、毎回閻魔あいら地獄少女の元に地獄通信を通じて依頼が届き、それを受け取った地獄少女が依頼人の元に出向き、怨みを晴らすというパターンです。地獄少女は依頼人に藁人形を渡し、依頼人はその藁人形の首にかかる赤い糸を解けば依頼が成立し、憎い相手を地獄に送ることができます。ただし、その代償として、依頼人自身は死後も地獄で苦しみ続けることになります。そのため、依頼人は糸を解くかどうか葛藤し、決断を迫られるのです。基本的には1話完結で、その話こどにストーリーは終わります。また、アニメ版とも若干の違いがあり、漫画版では読者層に合わせて依頼者が中高生の少女にほとんど限定されています。さらに、閻魔あいも、学生服を着ていることが多く、その辺りも、読者層、または連載されている雑誌を意識していると思われます。ストーリーも、いくつかは原作に沿ったものもありますが、アニメオリジナルのストーリーがほとんどで、アニメを見ている方でも、全く新鮮な気持ちで読みすすめることができる作品となっています。アニメ版とは違い、根本に大きなストーリーがあるわけではなく、学生達のオムニバスストーリーとしての側面が強くなっています。

見どころ

見どころは、地獄少女の依頼人の怨み人に対する裁きです。依頼人はそれまで散々嫌な目にあっており、最後の裁きでスッキリと解決できるため、気分が良いです。勧善懲悪ものを求めている方にとっては、非常に読んでいて楽しい作品であると言えます。依頼するかどうかの葛藤もあり、その辺りの心の揺れ動きも見どころの1つと言えます。主人公閻魔あいにも過去のエピソードがあり、そちらも物語が進むにつれて明らかになっていきます。それを楽しむのも良いでしょう。

感想

連載雑誌が、少女向けであるため、やはり描写は若干抑えめであることもあります。そのため、ハードなホラー要素などを求めている方には、あまり向いていないかもしれません。また、エピソードが1つ1つで切れているので、どの巻から読んでも楽しめるのも良いポイントです。例えば、古本屋で1冊だけ見かけたなどという場合でも、気軽に買って読むことができます。その手軽さは非常に嬉しいですね。もちろん、ネット媒体ならば、全作読むことができると思うので、まずは1冊読んでみて、気に入ったら他の巻も読んでみることをおすすめします。