概要
漫画「地獄先生ぬ〜べ〜(じごくせんせいぬーべー)」は原作「真倉翔」、作画「岡野剛」による「ホラー学園青春」漫画。
「1993年」から「1999年」まで集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載。全31巻、文庫20巻が発刊されている。にてテレビ朝日にて1996年よりテレビアニメ化。
登場人物紹介
鵺野 鳴介
鵺野 鳴介 25歳、身長178㎝、体重68kg、血液型O型。
霊能力を持った小学校教師、左手に鬼を封印して黒い手袋をしている。責任感と正義感が強く頼れる人物である反面、スケべで貧乏だったりと人間らしく悪い面もある。様々な人や妖怪にその人柄から尊敬されている。
ゆきめ
幼小時に猟師に殺されかけた所をぬ~べ~に救われ、恋をした雪女。
少女から成長し、山の掟に従ってぬ~べ~を連れて行こうとするも抵抗されて諦める。その後はスケート場で働きながらアプローチを続ける。厚さが苦手で体を補修しようとしてたびたび雪だるまのような姿になったりする。
玉藻 京介
400歳の妖狐。身長182cm(妖狐の姿では190cm)、体重66kg、血液型AB型。
本名「荼吉権現天狐(だきごんげんてんこ)」という妖狐としては最高位の妖怪。冷静沈着で真面目、頭がよくて顔もよく、人間としては医師をしている為裕福であるとぬ~べ~と真逆の様な存在。
人化の術を完成させるためにぬ~べ~の教え子である広の頭蓋骨を狙うも阻まれて失敗。その後も付け狙う中で様々な事件を経てぬ~べ~のライバルとなる。
立野 広
身長145cm、体重38kg、O型。。サッカー部に所属する活発な小学生男子。クラスに一人はいる熱血で直情な元気溢れる男の子。
曲がったことが嫌いで思ったことははっきり口に出して行動するリーダシップを持つ。小学生男子らしく面白い事や楽しそうなことに目が無く、早熟ながらスケベなことも大好き。
稲葉 郷子
身長146cm、体重36kg、A型。
広のと仲が良いクラスメイトの女の子。明るく素直で周りのことを気遣える優しい性格だが反面暴力的な面もあり、その被害は大体広が受ける。スレンダーな体系で貧乳であることを悩み作中でもよくいじられる。
あらすじ
地獄先生ぬ~べ~は小学校を主な舞台としたホラー漫画である。
霊能力をもつ小学校教師の鵺野鳴介がお経や知識、左手の鬼の手を使って事件を解決していく。事件の内容は多岐に渡り、単なる妖怪騒動から複雑な人間関係が起因したもの、日本の平和が脅かされるような大事件まで起こる。
しかし主な舞台は小学校であり、教師であるぬ~べ~とその生徒たちが中心として物語は進んでいく。学校が始まり自身を霊能力を持った教師であると紹介するぬ~べ~だが生徒の一人である立野広は懐疑的であった。その理由は自身が悪霊に憑りつかれていていて、それを解決しようとした父が多くの自称・霊能者たちに騙されてお金を奪われていたからであった。そんな広の心を教師として、霊能者として救ったぬ~べ~。
彼もまた幼少期に霊に苦しめられていた一人でもあった。霊能力はあるもののそれにより様々な霊障に悩まされていた鳴介、苦しいのは霊障だけでなくそれが原因で化け物といじめられていることにもあった。そんな彼を救おうとしたのが美奈子先生であった。彼女も同じ境遇で悩み、しかし教師となった今、鳴介を救おうとしていた。
遂に鳴介の中に宿った鬼と対峙する事になる。鬼のあまりに強大な力の前に敗れる美奈子先生。最期の力で鬼を鳴介の左手に封印し、力尽きるのであった。
そんな彼女の遺志を継ぎ、その力で生徒を守る教師となった鳴介、地獄先生ぬ~べ~として人々を守るために戦い続けるのであった。
見どころ
昔話で聞いたことがあるサトリやあかなめといった妖怪の話や赤いちゃんちゃんこなどの怪談話だけでなく、学校らしいトイレの花子さんなどの七不思議を取り扱ったもの、都市伝説の口裂け女や人面犬を用いた基本一話完結のストーリーが展開されます。
元ネタのわかる形で話がすすみますがオリジナルの解釈や結末、救いなどがあって元ネタを知っている人でも楽しめます。しかし怖いオチがそのままであったり、油断したところに漫画ならではのインパクトある表現を持ってきて読者にトラウマを刻み込むことも多いです。
ヒューマンドラマや教訓めいた話もあり、子どもながらに考えることの多い作品でとても楽しみにしていました。作中ではキャラクターも成長を見せていきます。それは卒業したくない郷子の心に付け込んだ霊を取り上げる回にもありましたが、今は当たり前だと思っている事が少し前までは全然違いました。
乱暴者の側面が強い広や怖がりな誠、心を閉ざしたままの克也。生徒だけでなく鬼とぬ~べ~の関係も変化があります。なんと左手に宿る鬼・覇鬼と和解するのです。最大の敵とすら和解し共存を選んだ流れは一見の価値ありです。
感想
怖がりな子どもの頃に読んだ数少ないホラー漫画。
ホラーですがやはり少年漫画なので怖いだけでなく笑いや感動、エロや青春が有ったので読み進める事が出来たと思います。連載初期は騒動による人の死が明確に描かれて、それがまた不気味で恐ろしかったのですが進むにつれて少しマイルドになったり子ども向けな変化が生じたのは嬉しくもあり寂しくもありました。
そんな油断してるとブキミちゃんや海難法師の様にぶっこんで来られるので油断できない作品です。
主人公であるぬ~べ~は熱血漢で一直線な性格ながら自分を省みる姿勢や柔軟な思考がある人物です。生徒を導く大人であり、自分のことで大いに悩む若者でもあり時に失敗をして苦悩する姿はとても印象的でした。今なお続く地獄先生ぬ~べ~ワールド、原点であるこの作品を読めたことは本当に良かったです。