リバイバルで大事な人を守れ!「僕だけがいない街」あらすじ・見どころ紹介

作品概要

漫画「僕だけがいない街」は三部けいによるサスペンス漫画。2012年よりヤングエースにて連載。全8巻。2016年にアニメ化および映画化。連載終了後、『僕だけがいない街 Re』が外伝として連載され、「Re」のタイトルは使用せずにコミックス第9巻として発売されている。

登場人物紹介

藤沼 悟(ふじぬま さとる)

本作の主人公。リバイバルというタイムスリップ能力の持ち主で、過去を変えることができる。2006年の藤沼は漫画家だが、成功しておらずピザ屋でバイトしている。心の声が外に出やすい。母親の死をきっかけにリバイバルで子供時代の悲劇を回避しようと奔走する。

雛月 加代(ひなづき かよ)

母子家庭で貧乏。母とその愛人により虐待を受けていた。1988年の連続少女殺人事件の被害者の1人だった。「バカなの?」が口癖。悟のリバイバルにより、3回目にその悲劇は回避される。最終的に広美と結婚し、一児の母になる。

片桐 愛梨(かたぎり あいり)

悟がバイトするピザ屋の後輩。女子高生。明るい性格で悟とも距離感をつめていく。母親殺しの犯人にされかけた悟を助けるなど、正義感が高い。悟が過去をリバイバルで変えたことにより、愛梨との関係は一度消えてしまう。

八代 学(やしろ がく)/西園 学(にしぞの まなぶ)

連続少女殺人事件の真犯人。学校の先生。一人ぼっちになりやすい少女をマークしていた。リバイバルにより、被害に遭うはずだった少女たちが回避されていくことに不審を感じるようになる。悟が絡んでいることに気づき、殺そうとする。西園学とは同一人物で、妻の父の跡を継ぎ議員になっている。

藤沼 佐知子(ふじぬま さちこ)

悟の母親。元アナウンサーであり洞察力が高い。真犯人の正体に気付いたことで、殺害されてしまう。このことは悟がリバイバルするきっかけにもなった。悟が植物状態になった後も献身的に支えた。

あらすじ

2006年、漫画家として成功できずにいた悟はピザ屋でバイトしていた。
そんなある日、悟の母親・佐知子は、1988年に起きた連続少女殺人事件の犯人に気付いてしまう。その矢先、真犯人により殺害されてしまった。

家に帰った悟は母の変わり果てた姿に動揺する。真犯人の策略で警察に追われることになった悟は最初のリバイバルを発動する。

1988年、北海道。連続少女殺人事件の起きる年。被害者の1人である加代を救うべく、悟は奔走する。

最初のリバイバルは失敗に終わり、二度目は「加代を先に誘拐する」という方法で殺害から救い出すことに成功する。他の被害者のことも1人にならないよう配慮し、真犯人の行動をコントロールし始める。

真犯人である八代は悟の動きに気がついてしまう。悟を殺そうと画策し、結果として悟は植物状態になってしまった。

加代は悟を心配しずっと病院に付き添っていたが、佐知子の配慮もあり悟の転院後は自分の道を歩き始める。

そして、15年が過ぎた。 佐知子の献身もあり、悟は長い眠りから遂に目覚める。悟を新たなスパイスとして気にしていた西園(八代)は、再び悟を陥れようと行動を開始する。 悟は記憶を取り戻し、全ての行動を見破り、ついに西園は逮捕されるに至る。 大人に再び戻った悟は漫画家としても成功する。

見どころ

序盤から中盤の見どころは、リバイバルで加代が殺される3月1日を回避した後、3月2日に加代が殺されてしまうという残酷な展開が待ち受けること…!このシーンには衝撃をうけました。なんで?!と信じられませんでした。実は遅くに帰ってきた加代を実母と愛人が暴行、そのあとで殺されてしまうんですよね…。そしてさらに衝撃なのは次のリバイバルで大胆にも先に誘拐してしまいます!結果、見事加代を救うことに成功しますが、ここまでハラハラドキドキ、そして成功した時はとても嬉しくなります。そして、もう一つの見どころは最終決戦です。ついに西園(八代)を追い詰め、歩けないフリで出し抜くシーンはスカッとします!本当のラストシーンで愛梨に再会するところも見どころです。ちゃんと会って話すシーンをもっと見たかったですね。

感想

読んでみると「僕だけがいない街」のタイトルに納得がいきます。悟が植物状態になる15年を指しているわけですね。

でもその15年、悟のことを忘れた友人はいません。本来の歴史では加代と広美がいない街になるわけです。「僕だけ」がいないことで加代と広美がいる街になりました。それを喜べる悟の心の優しさにも感動しました。ただ、加代とはなんだかんだ縁があるように感じていたので、広美との赤ちゃんが登場した時は実はちょっぴりがっかりしました笑。

最終的に長い眠りから覚めた後はついに漫画家としても成功する悟。友達も母も、誰も死ぬことなく、記憶から消えてしまった愛梨にも再開し、大変だったけど、終わってみればしっかりハッピーエンドで良かったと思います。