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ハラハラドキドキ青春逃亡サスペンス「僕たちがやりました」

概要

マンガ「僕たちがやりました」は、金城宗幸さんによるドロドロした人間関係も描く青春逃亡劇マンガ。2015年から2017年まで週間ヤングマガジンで連載されている。巻数は全9巻で完結しており、2017年には窪田正孝さん主演でテレビドラマ化もされている。

登場人物

増渕トビオ

本作の主人公。小さい頃から、何かに熱中してもよいことがなかった経験から、何事もそこそこでいいやと、投げやりな考え方になる。普段の生活でも、部活に打ち込むこともなく、仲間たちと遊んで回る日々でしたが、ある出来事から近くの高校の生徒を爆弾で殺してしまう。自首ではなく、逃亡の生活を選びますが、罪の意識に悩まされ、苦悩の日々を送ることになる。

丸山友貴

トビオの友達で、あだ名はマル。大人しく見えて、実は腹黒で、友達を平気で裏切ったりすることも。そもそもトビオ達が近くの高校の生徒を殺すきっかけになったのは、このマルがその高校の生徒にリンチを受けたことから始まった。トビオとは違い、罪の意識に悩まされることはあまりなく、逃げてばかりの人生。

伊佐美翔

トビオの同級生。お調子者でおちゃらけた性格ですが、トビオ同様、爆破事件の後は罪の意識に苛まれる。自殺未遂を起こしたり、ある依存症にかかったりなど、苦悩し続けるが、大切な彼女と幸せになるため罪を償おうと奔走する。

小坂秀郎

トビオ達が通う高校の卒業生で、トビオ達の遊び仲間。お金持ちで、彼の資金でトビオ達は遊び回っている。母がおらず、父との繋がりも送られてくるお金だけで、お金はあるものの人との繋がりを持てていない。逃亡生活の中で、父との再開を果たすがそこである事実を告げられる。

青川蓮子

トビオの幼馴染で、トビオと後に付き合うことになる。トビオ達が殺害した高校の生徒の1人、市橋とも仲がよく、そのことがトビオとの仲にも影響することに。ヒロイン的な立ち位置ではあるが、意外な展開を迎えることに。

あらすじ

主人公、増渕トビオとその仲間たちは、小坂秀郎のお金で日々遊び回る、気楽な生活を送っていた。トビオ達の通う高校の隣には、不良が多いことで有名な矢波高校があり、マルがそこに通う生徒に目をつけられたことから、リンチを受けることになった。それに対して怒ったトビオ達は復讐を決意。矢波高校の校舎に、プラスチック爆弾をしかけて、驚かせることに。しかし、爆弾の1つがプロパンガスの近くに設置されていたことから誘爆し、死人が出る大事件に。ほんのいたずら心でしかけた爆弾が人を殺してしまうことになったトビオ達。それぞれ、逃亡生活が始まることに。互いに裏切ったり、裏切られたり、また、罪の意識に苛まれたりし、また、その苦悩の中で、様々な出来事がトビオ達を襲うことに。さらに、矢波高校の不良リーダー、市橋も、犯人がトビオ達ということに気が付き、トビオ達の行方を追うことに。そんな中で、罪の意識に耐えられなくなったトビオ達は、自首を決意。メディアを利用して大々的に自首をアピールしようとするが、そこにある人物が迫ってきて、トビオ達の自首は妨害される。そこから物語はさらに進んでいき、驚きの展開を見せることになる。

見どころ

やはり、トビオ達の逃亡生活の中で起こる、様々な出来事が見どころ。息をつく間もなく、ドキドキの展開が続く。また、その中で描かれる人間関係が崩れる瞬間、ドロドロとした心理描写も魅力で、リアルな人間の醜い心は目を背けたくなるが、ついつい夢中に。トビオ達は一枚岩ではなく、それぞれに性格が違い、考え方が違う。自分だったらこうするのになどと考えて、登場人物達の行動と照らし合わせるのも、面白い。

感想

読むのが辛いほどの心理描写が1番心に残りました。それぞれの悩みや、考え方がリアルで、青春時代の等身大の悩みもあれば、殺人者としての、非日常の悩みも描かれます。見どころの項目でも書きましたが、そんな目を背けたくなるような心理描写が描かれ続けるのが、この作品の魅力で、そのような作品が好きな方には、とても合うと思います。テレビドラマも放送されましたが、そちらとは設定や展開が少し変わっており、テレビドラマを見た方が、改めて原作を読んだとしても楽しめると思います。