モンスター如何にしておいしく食すか!九井諒子作「ダンジョン飯」作品紹介

作品概要

漫画「ダンジョン飯(ダンジョンめし)」は「九井諒子」によるファンタジーグルメ漫画。「2014年2月」より「ハルタ」にて連載。既刊8巻。2016年8月に3巻発売記念として大サソリと歩き茸の水炊き・天然おいしい宝虫のおやつ・ミミックの塩茹で、の食品サンプルが制作され展示された。

登場人物紹介

ライオス・トーデン

種族:トールマン
男性で剣士の26歳。
パーティのリーダーだが皆を引っ張ると言うよりバランスを調整するタイプ。妹であるファリンのお陰で一命を取り留める。ファリンを助ける為に再び迷宮へと挑戦する。その為の手段としてモンスターを食べることを提案するが、前から興味津々であったので渡りに船だった。

マルシル

種族:エルフ
女性で魔法使い
攻撃魔法以外にも回復や解錠など幅広いジャンルの魔法を使える。ファリンを助ける為に同行を申し出るがモンスターを食べることには強い反発を見せる。弱音を吐くことも多くあるものの、土壇場での胆力は凄い。

チルチャック

種族:ハーフフット
男性で斥候の29歳
種族的にハーフフットは童顔だがそれなりの年齢。妻子も居る。罠探知や解除、宝箱の解錠など迷宮内を安全に行動するための誘導役。戦闘では一応の攻撃手段はあるものの基本的には戦力としてはみなさない様にと本人談。

センシ

種族:ドワーフ
男性で戦士
迷宮にて10年を過ごすベテランの魔物食研究家。ライオスたちがモンスターを食べることに対して助言をしてからの縁で同行してくれることとなる。長年研究しているだけあって調理の腕前・知識は豊富。しっかりした食事に対して強い拘りを見せる。

ファリン・トーデン

種族:ヒューマン
女性で魔術師
ライオスの妹で迷宮の奥でドラゴンと遭遇し、パーティのメンバーを逃がす為にドラゴンに食われつつも魔法で皆を逃がした。回復を主とする補助的な役割を担っていた。ライオスの妹らしく魔物を食べることに興味を抱く好奇心旺盛な性格。

あらすじ

このダンジョンはとある小さな村の地下墓地にある。

小さな地鳴りと共に底が抜け、そこから男が現れた。一千年前に滅びた黄金の国の王を名乗り、王国は今なお「狂乱の魔術師」によって地下に囚われ続けているという。魔術師を倒した者に、国の全てを与えると言い残し、男は塵芥となって消える。

6人でパーティを組むライオスたちはドラゴンと遭遇して戦闘に入っていた。準備は万端で順調にいっていたが食料を無くた所為で空腹となっていたメンバーは動きの精彩を欠いてしまい敗北する。ドラゴンに食われながらも皆を魔法で脱出させる。

外で気が付いたライオスだが、ファリンはドラゴンの腹の中に居て魔法が効かず、脱出できなかったと知る。妹を助ける為に行動しようとするがメンバー二人の脱退、荷物の紛失から窮地に立たされる。

自分一人で迷宮に戻ることを提案するもマルシルとチルチャックも同行を申し出てくれる。二人の厚意に甘えつつその覚悟を問うライオス。三人の過酷なダンジョン踏破が始まる。

ダンジョンに潜った矢先に歩きキノコと大サソリを食材として調理を始めるもとても食べれたものではなかった。そこにみかねて声をかけるセンシ。可食部位や正しい調理法、珍味の作り方など様々な知識を教えてくれる。食事を終え、それぞれの目的を話すとセンシも同行を申し出る。ドラゴンを調理する為に。

見どころ

ダンジョン飯はあらすじだけ見ると妹を救うために迷宮に潜ると言うシリアスな話に見えますがところがどっこいとてもほんわかほのぼのしています。

一応迷宮内では人死にも起きますがそれを回収する人、蘇らせる人で職業まであります。生死が割と軽い迷宮内。主人公たちも死からの蘇生を経験していることが作中にも明らかになります。

妹を助けに行くのが本題ですがタイトルの通りダンジョンの飯がでます。モンスターを解体して食べたり自生してるものを取ったり、凄いものになるとダンジョン内で栽培した食材を活用したりします。それぞれモンスターの生態などが説明され、それを調理して実食する流れはとても面白いです。

物語が進むと別キャラの視点が入ってきたり意外と重い展開やちゃんとシリアスな場面も出てきたりして物語の厚みが増してきます。グルメ漫画ですがしっかりとファンタジーの冒険もたのしめる良い作品です。

感想

先ず私はインターネットで冒頭を少しだけみて購読を決めました。それくらいインパクトがありました。

歩くキノコのモンスターなんかはちょいちょいみかけるネタですがまさかそれをいかに食べるかを真面目に考察して実食するのとは驚きの一言。更にスライムにまで言及して、それを干して食べるなんてこれはもう読み続けないと駄目だな!と今も楽しんで読んでいます。

読み進めるにしたがって単にモンスターを食べるだけではなく、それぞれのキャラのバックボーンが明確になってきたり、舞台である迷宮がどんなものかが明確になってきて、ダンジョン踏破モノのファンタジーとしても楽しくなってきています。それだけじゃなく、その地で生活する人たちの損得なんかも出てきてこれからの展開が更に楽しみになっています。