こんにちは、犬王です。
今回はあの福本作品「カイジ」の登場人物・大槻班長のスピンオフ作品「1日外出録ハンチョウ」の1巻・第2話「道連」に収録されているハンチョウ流「1日の過ごし方」をご紹介します。
今回は1日外出に慣れない側近の沼川を引き連れ、飲食店でのメニューの選び方や祭りでの楽しみ方を披露していきます。
そんな発想があったのかと感心(苦笑い)してしまいますので、是非ご覧ください。
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心の余裕を取り戻すべし!
井の頭公園にて解放されたハンチョウと沼川。
1日外出に慣れない沼川は、限られた時間を無駄にしまいと焦りを隠せない。
その中、ハンチョウは落ち着き払った様子で、雑誌を読み始める。雑誌を1時間超熟読した二人は、その後も漫画談議に花を咲かす。
時間を無駄にしているようだが、焦って行動しても後で後悔する事をハンチョウは熟知している。
そしてあたりが暗くなって来た頃、心の余裕を取り戻した二人は動き出す。
特殊な状況に惑わされるな!
腹を空かせ、居酒屋に向かった二人。
沼川にとってはたまの外出なので、私だったら有名な人気店だったり行ったことのない珍しい店を選択したいと思うのが心情だろうと考えてしまうのだが、ハンチョウが選択したのはチェーン店らしき居酒屋。
その選択に疑問を持ったが、その後のメニュー選びでハンチョウの沼川への想いが伺える。
沼川がその店で一番高級な刺身盛り合わせを選択しようとしたその瞬間、ハンチョウの「へたっぴ…!」が沼川の言葉をかき消す。
ここ数日、地下での食事がパサパサの焼き魚であったことと、沼川が宮崎出身であることから、沼川が内在的に本当に食べたい食事は「チキン南蛮」であることを導き出す。
その後、沼川は大満足して一件目の食事を終える。
滅多にない外出なだけに、普段食べれないような高級品を選択しがちだが、特殊な状況でなければ選ばない食事は本当に食べたいものにあらず、確実に成功するメニューを沼川のために冷静に選択してみせたということだ。
発想の転換で更なる高みを!
1件目の夕食を終え、2件目を捜索中、ハンチョウは重大な何かを見落としているかのような強烈な違和感を覚える。
沼川がしゃべりかけるのを制止し、思考を巡らせる。
そしてハンチョウの思考が何かを導き出し、突如走り出す。
そしてその先で祭りが開催しているのを発見するのだ。
ただ浴衣の女性を見た事から祭りが開かれているのではという予測を、ここまで大袈裟に演出するハンチョウ。さすがである。
あたかも殺人事件のアリバイを解いた刑事のような振る舞うハンチョウに羨望の眼差しを向ける沼川。
そして気が付けば、焼き鳥、焼きそば、生ビール…と豪遊。本当に美味しそうに平らげる。
この飲み食いで二人の腹は9分目まで達する。
そしてラストスパートで粉物で締めようと品定めする二人だが、たこ焼きとお好み焼きのどちらにするか迷う。
しかし腹9分目のため、両方は食べれない。
ここでハンチョウは暴挙に出る。
腹9分目の状態でたこ焼きとお好み焼きを3セットずつ購入する。さっぱり理解できない沼川。
おまけにその食べ物をお祭りの本部テントに差し入れしてしまうのだ。
わけもわからず、むしろ不満さえ頂く沼川だが、その後、その意味を知ることとなる。
差し入れを喜ぶ本部テントの人たちは、ハンチョウ達を迎え入れ、お酒を振る舞うのである。
これでハンチョウ達は得たのである。プラスαを。
たこ焼きとお好み焼き両方をありつくことができ、さらにタダ酒と飲み仲間をゲットしただけでなく朝まで飲み放題のコース券を生み出したのだ。
さすが、地下で物販業を営むハンチョウ。
たこ焼きとお好み焼きを仕入れ、タダ酒と飲み仲間、飲み放題コースを売り上げたというわけだ。
まとめ
ハンチョウと沼川が過ごした一日は決して豪華な一日とは言えない。
しかし地下へ帰る二人の様子は満足感に満ち満ちているように見える。
豪華さと満足度は比例しない事をハンチョウは示した。
私は今回のストーリー読んで、ハンチョウは収穫ー支出=満足という感覚で捉えているのではないかと考えた。
つまりいくら豪華な晩餐を食べても(収穫)、支払うお金が高ければ(支出)、満足の度合いも少ないということだ。
少ない支出で、アイデアや工夫で収穫に付加価値を付与して、より大きな満足を得る。
そんな方程式がハンチョウにはあるように思える。
そしてその方程式を実行するためには、心の余裕を持ち、特殊な状況に惑わされず、いかに大きな満足を得られるかを冷静に考える事である。